• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

高度経済成長期首都圏住宅団地における住民意識の比較―維持管理に注目して

Research Project

Project/Area Number 20K01809
Research InstitutionSHUNAN UNIVERSITY

Principal Investigator

小林 啓祐  周南公立大学, 経済学部, 准教授 (10848972)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Keywords団地 / 社会基盤 / 住環境 / 記事 / 首都圏
Outline of Annual Research Achievements

昨年度より収集を開始した団地通信社発行『key』を用い、政治経済学経済史学会秋季学術大会にて報告を行った。論題名は「高度経済成長期前期「団地族」の直面した住環境問題
―団地通信社発行『key』を基礎資料として」である。以下に、明らかにしたことを列挙しよう。
『key』を通してみた高度経済成長期前期の団地住民の姿からわかったのは、団地は新しい生活を「団地族」に確かに提供したが、受け入れる地域の住環境整備は(結果として、という側面はあるにしろ)不十分であったことである。それは団地族自身にも大きな影響を与えた。『key』に掲載される住環境に関する記事に見る団地族たちは、自らが住む団地が引き起こした様々な問題に対して、どう対応するのか以前に、何を解決するのか、誰が解決をするのか、誰に解決を依頼するのかという課題にも直面していたのである。「団地族」は特定の箇所に短期間に多くの住民たちがさまざまな地域から集まって構成された。拙速とも思えるその住宅供給はひずみを生んだ。誰がその問題解決を担うかが課題によって異なり、その責任の所在も課題によって変化した。例えば、時に公団は責任を追及する先でもあり、時に共闘する相手でもあったのである。
以上が学会報告の結論であるが、課題の多く見つかる報告であった。使用史料分析は別に行うこととしたうえで、抽出した記事から課題を整理し、課題に沿った調査・研究をすすめることで改善したい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

新型コロナウィルス蔓延の間に遅滞したが、一定の落ち着きを見せるようになり、さらに『key』を発見したことにより研究手法に変更を加えた結果、2023年度は順調に研究がすすめられたといえる。ただし、当初より資料整理に多くの労力を要するようになったため、完全に計画通りとは言えない状況である。

Strategy for Future Research Activity

遅滞の理由は主に新型コロナウィルスであったため、それが一定程度落ち着きを見せた今、コンスタントに調査を行い、記事選定・印刷申請を繰り返していきたい。現在高度経済成長期期間中の『key』で、記事目録を終えているのは1959年から1964年までである。2024年度は残りの期間の目録とりを進めている。今年度については、高度経済成長期間の記事整理を終え、さらに補充調査として記事に出てくる現地調査を進めていく。
また、これまでに2回学会報告をしたことをふまえ、論文として投稿する。記事整理の時間は必要となるが、最終年であるため優先して時間を割くことで対応していきたい。

Causes of Carryover

当初の計画にあった印刷計画よりも安価に済んだ部分が多く、翌年に持ち越しとなった。今年は最終年度であるため、適切に印刷計画を進めたい。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 高度経済成長期前期「団地族」の直面した住環境問題 ―団地通信社発行『key』を基礎資料として2023

    • Author(s)
      小林啓祐
    • Organizer
      政治経済学経済史学会

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi