2021 Fiscal Year Research-status Report
Research on Categorical Data Analysis Method based on Geometric interpretation of Data
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20K02162
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Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
藤本 一男 津田塾大学, 数学・計算機科学研究所, 研究員 (40348090)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | カテゴリカル・データ / 対応分析 / 多重対応分析 / 幾何学的データ解析 / 探索的データ解析 / 数量化手法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年11月よりほぼ月1回のペースで、『対応分析の理論と実践』を素材とした「対応分析研究会」が磯直樹(東京芸術大学)をコーディネーターとして立ち上がり、2020年度中に4回まで実施。2021年度に入ってからは6回実施されている(TwitterやFacebookで広く呼びかけ、オンラインで実施)。 この研究会での発表を準備する過程で、対応分析の解説を中心にすえながら、1)統計学史の中での位置づけ、2)調査データ分析手法の中での位置づけについて報告し、参加者との討議を継続した。 翻訳書の出版と研究会での発表を通じて明らかになったことは、対応分析/多重対応分析と言っても、狭い意味のそれらと広い意味のそれらがあるということである。後者は、フランス語圏で対応分析が「データ解析と同義になっている」という言い方に関係している。つまり、重回帰分析、因子分析などの多変量解析の一つとしての多重対応分析、という面(狭義の対応分析)と、(カテゴリカルデータを含めて)探索的データ解析の中で、探索ツールとしての対応分析/多重対応分析を位置付ける(広義の対応分析)という関係である。これが明示されたことで、重回帰分析なのか多重対応分析なのかという無意味な対比ではなく、データ解析全体を視野に入れた検討が可能になった。 こうした研究の成果を、2021年11月13日に開催された日本社会学会第94回大会の「文化・社会意識(5)」部会で発表した。タイトルは「『対応分析』が提示するデータ分析の視点」である。 この発表を基礎に、『津田塾大学紀要』54号に、「日本における「対応分析」受容の現状を踏まえて、EDA(探索的データ解析)の中に対応分析を位置付け、新たなデータ解析のアプローチを実現する」を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2年目にあたる2021年度は【可能性の実証】として、 1. 実際のデータにGDAを適用し分析手法としての可能性を検証する。対象データとしては、申請者が勤務先で実践してきた社会調査実習のデータ、およびJGSS、SSMのデータを用いる。 2. また、欧州でGDAの開発、普及に尽力している研究者を講師に招聘しGDAセミナーを開催する。これを通して、研究者の調査実践に活用してもらうとともに、そうした分析データをもとにして、理論を検証、ブラッシュアップしていく。 という2点をあげていた。1)については、理論的な整理、また、プログラミング言語Rを用いた分析手法の整理はすすんでいるが、2)にある、海外の研究者を招聘してのワークショップの実現は、コロナ禍のため実現のめどがたたない状態にある。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実施してきた対応分析についての研究会は継続する。 また、この2年間に蓄積してきたものを基礎に、当初の計画どおり、GDA(幾何学的データ解析)をベースにした社会調査のテキストの構成を開発していく。 また、現在は、複数のRパッケージをもちいて分析を実行しているが、利用者の利便性を考えて、これらへの統一的なインターフェースを検討する。 申請当初予定していた対応分析についての海外研究者を招聘したワークショップは、コロナの状況をみすえながら、実現を追求する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、海外研究者の招聘が実現せず、その分、未使用のままとなっている。
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Research Products
(2 results)