2020 Fiscal Year Research-status Report
薄暮時や夜間における視覚障害者の行動評価と視機能との関連
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20K02199
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
藤田 京子 愛知医科大学, 医学部, 講師 (30297824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神野 安季子 (大野安季子) 愛知医科大学, 医学部, 講師 (10440710) [Withdrawn]
室谷 健太 久留米大学, 付置研究所, 准教授 (10626443)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 低輝度質問票 / 低輝度視力 / クオリティオブライフ |
Outline of Annual Research Achievements |
人間の行動は周囲の明るさに影響される。視覚が正常でも薄暮時や夜間では周囲の状況を把握することが困難になり行動が制限されるが、視覚障害者ではさらにその困難度が増すことは容易に想像がつく。しかし、これまで視覚障害者の暗所における行動を評価する方法は確立されておらず現状は不明である。本研究では視覚障害者の暗所における行動やQOLを明らかにするために薄暮時や夜間の日常生活動作およびQOLを測定する質問票であるLow luminance Questionnaire(LLQ)を翻訳した日本語版を作成し、困難を来している行動を明らかにし、さらに視機能との関連を評価することである。今年度はLLQ日本語版を用いて101例の患者から回答を得た。質問票の信頼性を検証するために101例中31例から2-4週間後に2回目の回答を得た。視機能検査として通常の視力検査に加え濃度を変化させたNDフィルターを用いた低輝度視力測定もすべての患者に行うことができた。 それらのデータを元に信頼性および妥当性の検証を行った。結果、クロンバックα係数は0.88、内的整合因子はすべての質問項目で0.7以上であった。LLQ日本語版と同時期に回答を得た眼疾患特異的QOL質問票であるVFQ25との関連では中等度以上の相関が得られた。またLLQのスコアと低輝度視力との相関もみられた。以上よりLLQの信頼性および妥当性が証明された。 これらの結果は論文化が終了し現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
英語版を翻訳した質問票は信頼性と妥当性の検証を済ませることができた。 論文化も進行しており、現在受理を待っている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
日本の視覚障害者数の上位を占める緑内障、糖尿病網膜症、黄斑変性、網膜色素変性に対し引き続き症例を収集し、データの集積をすすめていく。
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Causes of Carryover |
当初購入を予定していた輝度計は施設内の機器を代用したため未使用額が生じた。他、消耗品などの調達方法を工夫し当初の計画よりも経費の節約ができた。 令和3年度にコントラスト感度や読書成績の測定目的でアイパッドおよび視距離調整用の顎台を購入し、質問票の回答と新しく追加する視機能検査結果との関連をみる研究を実施する。
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