2023 Fiscal Year Annual Research Report
地域共生社会の構築におけるソーシャルワーカー活用の効果に関する研究
Project/Area Number |
20K02241
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
河野 高志 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (50647237)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 地域共生社会 / ソーシャルワーク / ケアマネジメント / インタープロフェッショナルワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、全国の地域包括支援センターと社会福祉協議会を対象に実施したアンケート調査の結果を分析し、地域共生社会の構築におけるソーシャルワーカー活用の効果について検証した。その結果、重層的支援体制整備事業の6つの事業を促進する上でソーシャルワーカーの活用が一定の効果をあげていることを明らかにすることができた。また、他職種との比較も行い、事業ごとに活用の効果がみられる職種が異なることもわかった。 研究期間全体を通した研究の成果としては、①地域共生社会の構築に向けてソーシャルワーカーに求められている役割や取り組みを先行研究から整理したこと、②地域共生社会の構築におけるソーシャルワーク機能(特にケアマネジメント、インタープロフェッショナルワーク、リーダーシップとファシリテーションによる連携の土台づくり)の全体像の明確化とその効果を検証したこと、③重層的支援体制整備事業を促進する上でソーシャルワーカーを活用することが有効であると明らかにしたこと、の3点があげられる。 地域共生社会に関する先行研究では、ソーシャルワーカーに求められる役割や取り組みを理論的に整理したものや、特定地域での成功事例を検討し取り組みのポイントをまとめたものなどが多く見られている一方、ソーシャルワークが具体的にどのような働きをして地域共生社会を形作っているのかや、そうした取り組みにソーシャルワーカーを活用することが本当に効果をあげているのかについての検証は行われてこなかった。この点で、本研究が明らかにしてきた成果は、先行研究には見られなかった独自の知見であり、地域共生社会の構築をさらに推し進める一助になると考えられる。
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