2021 Fiscal Year Research-status Report
An analyssis of effects of choral conduct on performance and a study of choral conducting methods that convey intentions of chorus composers
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20K02733
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
虫明 眞砂子 岡山大学, 教育学域, 教授 (90206847)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 指揮 / 役割 / コロナ禍 / 音楽授業 / 弾き歌い / 息の流れ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,合唱指揮が演奏に及ぼす影響を分析し,合唱曲作者の意図を伝える指揮法を検討することを目的としている。2021年度は,学校の音楽授業における指揮の扱いについて現状と課題を検討するために,岡山大学教育学部の合唱受講生及び,卒業生を中心に,小学校(担任・専科)・中学校・高等学校の音楽科教員に対してアンケート調査を実施した。その結果,音楽授業での指揮の必要性や有効性を合唱受講生,学校教員ともに認識していることが明らかとなった。一方,学校の音楽授業では,歌唱指導や合唱指導をピアノの弾き歌いで行うという旧来の指導方法が定着しているため,音楽表現に活かせる指揮が活用されていないこと,また, 指揮法に自信のない教員が少なからず存在し,研修の機会を求める教員が多数存在することが明らかになった。 次に,歌唱や合唱の授業において指揮の活用を進めるための課題について検討した。2021年度の合唱授業では,コロナ禍での合唱や歌唱活動における指導法を追求していく中で,コロナ禍における発声の制限によって,音声を共有できない中でも,指揮者の画面を見て,指揮に集中して歌うことで,皆で声を合わせようという意識が起こり,個々の音楽表現にも変化が出てきたのではないかと考えられた。加えて,これまで積極的に採用してこなかった,PCのパートの音声を利用して他パートと合わせる二重唱の練習法や合唱練習でのハミング唱法の利用等が,基礎的な練習に有効であることがわかった。さらに,合唱受講生を対象に行った2種類の合唱指揮の比較によるアンケート調査を実施した結果,合唱指揮の役割について,合唱者は,歌っている間,指揮者の手,顔の表情,身体全体等を注視していること,息づかいや息の流れなど,息や呼吸のような視覚的に捉えにくい部分を明確に表現する指揮法の検討が重要であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響を受け, 歌唱や合唱の実践にオンライン等による様々な制限があったが,計画の変更や修正を行い,次年度予定していた調査を前倒して実施したため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,2021年度に行ったアンケート調査や合唱指揮の比較実験で見い出した,指揮者が楽曲を表現するために行う,大切な息づかいや息の流れに着目した指揮法,合唱曲作者の意図が伝わる指揮法についてさらに検討していく予定である。そのために,国内外の合唱指揮者や団員へのインタビュー調査及び合唱コンサートの鑑賞も積極的に行う予定である。さらに,新型コロナウイス感染による影響で延期している音カメラによる指揮の予備実験と本実験を実施したいと考えている。以上を遂行していく予定であるが,状況に応じて,研究計画・方法を柔軟に修正していく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため,2021年度に実施予定していた国内外の資料収集や音カメラの歌唱実験ができなかった。これらについて,2022年度に実施を予定している。
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Research Products
(4 results)