2021 Fiscal Year Research-status Report
演出技法を発問と役割演技に応用した、多様な感性を引き出す道徳教育手法の実践的開発
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20K02792
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
蓮 行 京都大学, 経営管理研究部, 特定准教授 (10591555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤川 信夫 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (10212185)
渡辺 貴裕 東京学芸大学, 教育学研究科, 准教授 (50410444)
川島 裕子 大阪成蹊大学, 教育学部, 准教授 (60824068)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 道徳教育法 / 教材開発 / アクティブラーニング / 主体性 / 集合知 / 多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「子ども達の発達度や考え方の多様性を包摂し、真に多面的・多角的に考えさせる道徳教育はいかなる方法で達成できるのか?」を研究課題とし、道徳教育の重要な要素である「発問」と「役割演技」における表現活動に演出(主に演劇の手法を用いた)技法を応用し、多様な子供達の多様な感性を引き出す新しい道徳教育手法の開発を目指し、下記3つの段階を経て実施する。 1)道徳教育に融合可能な演出技法の抽出と、それを発問と役割演技に応用した道徳教育手法の設計。 2)小中学校における設計した手法の試験的実践とそれによる効果検証。 3)試験的実践の結果に基づいた演出技法を応用した道徳教育手法の確立と教材化。 2021年度(2年目)は、昨年度に引き続き「1)道徳教育に融合可能な演出技法の抽出と、それを発問と役割演技に応用した道徳教育手法の設計 」 に関して、小学校教員とコミュニケーションティーチャー(演劇人)(以下、CTと記載)へのヒアリング調査を実施し、役割演技や発問に対する、子どもたちの個々の「自分の意見、思い」を引き出すナビゲーション、指導方法への課題を抽出した。 また、「2)小中学校における設計した手法の試験的実践とそれによる効果検証」のため、年度後半には、本研究メインバーと小学校の教員とCT との研究会を開催し、道徳の教科書をもとに演劇的な演出技法を取り入れた「学習指導略案」を作成、小学校の道徳の授業にて試験的実践を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染状況により、小学校現場にて、アクティブラーニング形式の授業実施の制限(授業中、生徒同士のコミュニケーションをとることができない)があり、設計した演劇的手法の見直し、実施が遅延が発生したため、R3年度内に効果分析まで取り組むことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
R3年度に開発した徳教育における演劇的な演出技法を応用した、「発問」と「指導方法」をまとめた教材(本研究では「学習指導略案」を指す) を活用した小学校の授業における実践と効果測定を行う。 俳優(コミュニケーションティーチャー)による演劇技法を活用した授業と、教員による通常の道徳授業を比較する。主な測定方法は、主に映像分析による「エスノメトリー法(藤川信夫)」を適用。そのほか児童の記述(回答)の質的調査を予定している。 (比較内容) ・児童の参加度 表情(顔をあげている、うなずき、挙手)の分析(エスノメトリー) ・児童の回答の多様性、作文 字数の増加・内容(質的分析になる) ・教員 実施前と、実施後のアンケート
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスまん延防止等重点措置のため、予定されていた学校での実践の中止や制限や、県境をまたぐ移動・出張の自粛に伴い交通費、謝礼の支出がなくなったため。 使用計画としては、2022年度に行う効果測定で発生する、謝礼、交通費に充当する。
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Research Products
(2 results)