2022 Fiscal Year Research-status Report
演出技法を発問と役割演技に応用した、多様な感性を引き出す道徳教育手法の実践的開発
Project/Area Number |
20K02792
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
蓮 行 京都大学, 経営管理研究部, 特定准教授 (10591555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤川 信夫 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (10212185)
渡辺 貴裕 東京学芸大学, 教育学研究科, 准教授 (50410444)
川島 裕子 大阪成蹊大学, 教育学部, 准教授 (60824068)
末長 英里子 京都大学, 経営管理研究部, 特定助教 (80912310)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 道徳教育法 / 教材開発 / アクティブラーニング / 主体性 / 集合知 / 多様性 / 言語活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「子ども達の発達度や考え方の多様性を包摂し、真に多面的・多角的に考えさせる道徳教育はいかなる方法で達成できるのか?」を研究課題とし、道徳教育の重要な要素である「発問」と「役割演技」における表現活動に演出(主に演劇の手法を用いた)技法を応用し、多様な子供達の多様な感性を引き出す新しい道徳教育手法の開発を目指し、下記3つの段階を経て実施する。①道徳教育に融合可能な演出技法の抽出と、それを発問と役割演技に応用した道徳教育手法の設計。②小中学校における設計した手法の試験的実践とそれによる効果検証。③試験的実践の結果に基づいた演出技法を応用した道徳教育手法の確立と教材化。
2022年度(3年目)は、俳優(コミュニケーションティーチャー)による演劇技法を活用した授業と、教員による通常の道徳授業を比較教員の通常の道徳授業の比較調査を行った。比較方法は、同クラス(小学4年生)を対象に45分の授業をそれぞれ2回づつ行い、主に映像分析、児童の記述(感想ノート)の質的調査、観察者による比較調査を行った。比較内容としては、Ⅰ)児童の参加度 表情や体の動き、顔をあげている、うなずき、挙手の数。Ⅱ)児童の回答の多様性、作文 字数の増加・内容。Ⅲ)教員、コミュニケーションティーチャーへの実施後ヒアリングを行った。比較調査では、演劇技法を活用した授業では通常の授業と比べ、児童の発話分量(つぶやき等も含む)、声量、発話する児童数の増加といった、児童による多様な「言語活動」が行われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由 2020年-2021年度の新型コロナ感染予防対策の影響で、主に小学校現場にて、アクティブラーニング形式の授業実施の制限(授業中、生徒同士のコミュニケーションをとることができない)があり実施が遅延が発生したため、全体的に1年ほどの計画のづれ込みがある。
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Strategy for Future Research Activity |
R4年度に行ったコミュニケーションティーチャーによる演劇技法を活用した授業と、教員による通常の道徳授業の比較調査で明らかになったそれぞれの「授業の効果」に焦点を当て、再度比較調査を行う。 主には「言語活動」ポイントをあて、コミュニケーションティーチャーによる道徳授業と、教員による道徳授業それぞれの学習指導略案の作成、実践、分析を行う。
R5後期では、試験的実践の結果に基づいた演出技法を応用した道徳教育手法の確立と教材化を目指す。
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Causes of Carryover |
(理由) ・比較調査を行う授業デザインの変更に伴う、講師人数、授業時間の減少に伴う交通費、謝礼の支出の減少。 ・2023年度に引き続き比較調査実施を計画していたため、授業実践数を調整し繰越を行った。 (使用計画)2023年度に行う効果測定で発生する、謝礼、交通費。学会発表のための参加費、交通費に充当予定。
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Research Products
(1 results)