2021 Fiscal Year Research-status Report
大学間連携によるクリエイティブな音楽指導者の養成とマイスターモデルの開発
Project/Area Number |
20K02793
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小川 容子 岡山大学, 教育学域, 教授 (20283963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古山 典子 福山市立大学, 教育学部, 教授 (10454852)
井本 美穂 岡山理科大学, 教育学部, 准教授 (40780705)
早川 倫子 岡山大学, 教育学域, 准教授 (60390241)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 達人教師 / アイトラッカー / 視線計測 / マイスターモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,音楽の達人教師が学習者に説明する際に用いている指導のワザを,教科音楽に関連する専門的知識(Specialized Content Knowledge)と,教師特有の知識(Pedagogical Content Knowledge)に分けて体系化し,マイスターモデルとして理論構築すること,さらにこれを教師教育プログラムに組み込んで大学間連携データベースとして利用可能にすることである。令和3年度は,新規購入したアイトラッカーを用いて,達人の視線解析を中心に複数の実験をおこなった。年度当初に予定していた課題は次の2点である。(1)達人授業者と大学生を対象に,同じビデオ動画(小学生がソプラノリコーダーを独奏している場面)を評価させ,評価内容(=指導言)と視線動向を明らかにし,両者の違いについて比較・検討する。(2)協力校及び調査対象校で授業者(達人教師)にアイトラッカーを装着させた上で実際の音楽指導(鑑賞・表現)をおこなってもらい,授業場面の違いについて視線解析の点から比較・検討する。しかし,緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置に伴う諸制限等が想定以上に長引いたため,次のように変更した。(1)については,教員志望の大学生30名に,自身がソプラノリコーダーを独奏している映像を撮影させたものを刺激動画として使用した。(2)については,可能な範囲での実施を依頼し,アイトラッカーの装着が難しい場合は,ビデオ録画で代替することとした。なお,収集した視線動向のデータは,本学工学部の教員ならびに大学院生たちの協力を得て解析をおこなった。成果の一部は学会の口頭発表で発表し,あわせて,結果の一部を論文として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大防止のための緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置に伴う諸制限等により,協力を要請していた調査対象校での授業観察は,ほとんどおこなうことができなかった。来年度は,出来る限り調査対象校での授業観察ならびに,アイトラッカーを装着した実験をおこないたいと考えている。なお,アイトラッカーを新しく購入することができ,工学系の研究者たちとの連携体制を確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)研究協力校(岡山大学附属小学校,岡山市ならびに福山市の複数の公立小学校)と相談を重ねながら,新型コロナウイルスの感染拡大を防止する策を検討しつつ,可能な範囲で授業観察及び記録撮影をおこなう。研究協力者(=達人教師)に,アイトラッカー を装着して音楽授業をしてもらうなど,複数台のVTRとアイトラッカーを使用して,子どもたちの活動の様子を映像及び声データとして収集することを計画している。 (2)視線計測およびデータ解析については,引き続き,情報工学ならびにITシステム研究者たちと協力・連携する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大防止のための緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置に伴う諸制限等により,研究協力校への訪問やうちあわせ,データ収集に関する検討や分析等はすべてオンラインで実施した。そのため,旅費等に関連する残額が発生した。
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Research Products
(4 results)