2022 Fiscal Year Research-status Report
日本の大学等研究機関における有効なリサーチ・アドミニストレーターモデルの構築
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20K02932
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 亮 東北大学, 理学研究科, 特任准教授 (40548228)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リサーチ・アドミニストレーター / URA |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、一昨年度にデータを取得した「大学等における産学連携等実施状況」調査の令和3年度版が公開されたため、令和元年度、令和2年度と状況比較を行い、分析した。 令和3年度調査機関数は1055機関であり、令和元年度の790機関、令和2年度の834機関といったように年々増加している。一方、各機関にURAとして配置しているものがいると回答した機関の割合は、令和元年度から令和3年度でそれぞれ21%、22%、19%であり、大きな変化はないものの令和3年度は最も割合が低かった。 今年度は特に大学等教育研究機関の設置区分ごとに上記のURA配置状況とその経年変化を分析した。設置区分は、国立、私立、公立の3区分である。全調査機関数に対する国立の機関の割合は、令和元年度から令和3年度でそれぞれ18%、17%、14%であり、減少している。公立の機関の割合も令和元年度から令和3年度にかけて減少していることから、同データの調査対象機関として、私立の機関の割合が増えていることが明らかになった。各設置区分でのURAの配置状況の割合を見ると、国立の機関が令和元年度から令和3年度の期間で60%程度であるのに対し、私立と公立の機関ではそれぞれ、10%、25%程度で推移していた。 研究動向調査・情報収集としては、RA協議会第8回年次大会に参加し、「研究力強化に向けて異なるせみたー間連携から共創につなげるURA機能とスキルとは」をはじめとした関連セッションに参加し、情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本の大学等研究機関に従事するURAの業務調査分析にあたり、令和3年度分のデータも取得できたため、令和元年度から経年分析を継続できている。したがって、この点の進捗はおおむね順調に進展している。 研究動向調査・情報収集の一つとして、RA協議会に参加することを予定していた。予定通りに同協議会(オンライン開催)に参加し、十分な現状調査を行うことができたため、この点の進捗も計画通りである。 昨年度からまた、査読付き国際学術雑誌への論文の投稿を行っているが、論文に対しては未だアクセプトを得られていない。しかしながら、査読者とのやり取りを行うことで論文の内容の充実化ができている。 以上の点から、今年度の本研究課題の進捗状況として、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
取得したデータと大学等研究機関の特性・規模の情報を統合し、現在の日本の大学等研究機関の特性、規模、業務内容で区別される複数の「URAのクラスター」を構築する。 次に、URAの有効性を評価するための指標を設定する。指標は、URAスキル標準の各業務内容に対して検討する。具体例として、URAが属する組織の、競争的研究資金、発表論文、産学連携研究、知財、研究拠点の設置、国際化、広報活動等を評価する詳細な指標を設定する。 最後に、URAの導入前後で、これらの指標を各「URAクラスター」で評価することで、日本の大学等研究機関の特性・規模に応じた有効なURAモデルを明らかにする。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、出張を行わず、旅費を使用しなかったため。また、当初、アンケートの郵送による調査を予定していたが、代替の方法で必要となるデータを取得することができたため。 論文の査読者とのやり取りに時間を要し、論文のアクセプトを得るのに想定以上の時間を要したため。今後、論文がアクセプトされた際のオープンアクセス費用に使用予定である。
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Research Products
(1 results)