2020 Fiscal Year Research-status Report
Verification of the Effectiveness of Separated Parent Support and Parent Education Programs to Promote Smooth Visitation after Divorce
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20K03392
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
草野 智洋 琉球大学, 人文社会学部, 准教授 (10585045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田切 紀子 東京国際大学, 人間社会学部, 教授 (10316672)
青木 聡 大正大学, 心理社会学部, 教授 (40327987)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 面会交流 / 離婚 / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は4年間の研究計画の初年度にあたる。最終的な目的である親教育プログラムの開発と別居親支援の方策の改善に向けて、今年度は同居親を対象としたインタビュー調査を行った。調査対象となる同居親は、離婚直後は面会交流に対して否定的な気持ちを持っていたが現在は肯定的な気持ちに変化しているという人に限定した。それにより、同居親の面会交流に対する思いがどのように変化してくるかというプロセスと、面会交流に対する気持ちが肯定的に変化する要因を明らかにすることができる。「面会交流は子どもの利益になるものだから行うべきである」という知的な理解は、必ずしも同居親の面会交流に対する思いを肯定的なものに変化させるわけではないことが示唆された。どのような要因によって同居親の面会交流に対する気持ちが肯定的に変化するかを明らかにすることができれば、同居親を対象とした親教育プログラムの内容を、より実効性のあるものに改善するためのヒントが得られる。あるいは、親教育プログラムだけでなく、同居親の不安や緊張を緩和し気持ちを楽にするためのサポートこそが、かえって同居親の面会交流に対する気持ちを肯定的に変化させ、面会交流の促進につながる可能性がある。また、別居親の相談にのったり別居親に対して助言を行ったりする際にも、別居親がどのような行動をとることが同居親の気持ちを変化させ円滑な面会交流の促進につながるかを明らかにしておくことが重要である。今年度はその足がかりとなるための調査を行った。詳しい分析は次年度以降に行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外で行われている親教育プログラムの内容を単純に翻訳して日本で実施することは、版権の関係上困難であった。そこで、日本独自の親教育プログラムを開発するために、面会交流実施に関するキーパーソンである同居親の心理を明らかにするためのインタビュー調査を行った。調査は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目にあたる2021年度はインタビュー調査の結果を精緻に分析し、同居親の面会交流に対する気持ちが肯定的に変化する要因を明らかにする。その知見を活かし、より実効性のある親教育プログラムの開発と別居親支援の方法を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、新型コロナウィルスの世界的流行に伴い海外への渡航ができなかったためである。使用計画は、追加でインタビュー調査を行うことになったため、調査会社にインタビュー協力者のスクリーニングやオンラインインタビューの環境設定を依頼するのと、秘密保持契約のできるテープ起こし業者にテープ起こしを依頼するというものである。
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