2020 Fiscal Year Research-status Report
体験的理解と省察力を高める認知行動療法トレーニングプログラムの開発
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20K03439
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐々木 淳 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (00506305)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / 自己実践 / 自己内省 / トレーニング / SP/SR / 体験的CBT / self-practice / self-reflection |
Outline of Annual Research Achievements |
Self-practice/Self-reflectionプログラム(SP/SR)とは、認知行動療法の新しいトレーニング法である。自らの問題に対して認知行動療法の技法を使って取り組み(Self-practice)、そのプロセスを振り返って記述する(Self-reflection)ことによって、スキルの知識や技法の習熟だけでなく、体験的理解が促され今後に生かすべきことを自分で見つける省察力が育まれることが明らかになっている。本研究課題では、SP/SRプログラムの日本語版を確定し、心理職のトレイニーの省察力がこのプログラムによって高まるかを確認することを目的としている。 2020年度(1年目)は、SP/SRプログラム実施の準備として、開発者のBennett-Levy教授が著した「Experiencing CBT from the inside out」(Guilford Press)の監訳を行った。SP/SRプログラムの開発経緯、重要性、理論的背景、参加者とファシリテーターへのガイドラインを含む4つの章に続き、助けにならない(古い)自己のあり方の同定に関する第1部、新しい自己のあり方を創造し、強めるための第2部からなる日本語版が完成した。第1部、第2部はそれぞれ6つのモジュールで構成される。結果、2021年4月に出版することができた。 その他、省察力の客観的測定に必要なコーディング・システムの日本語訳を行いつつ、インターネット上でSP/SR参加者の内省をどのように共有すればよいのか、技術的な面とそのコストについて検討をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響で教育の形式がオンラインへと変化したことに伴い、教材の整備や教育環境のたびたびの見直しなど、研究に十分なエフォートを割くことができたとは言い難かった。当初は2020年の夏にBennett-Levy教授の研究室に赴き、SP/SRプログラムの日本文化への適合に工夫が必要な点を議論する予定であった。2021年度以降に可能な機会で議論を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度もコロナ禍の影響は免れ得ないが、オンラインでコミュニケーションする環境は珍しいものではなくなった。インターネット上で内省を共有する方法を確定次第、プログラムを実施したい。
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Causes of Carryover |
当初の執行計画がコロナ禍によって達成できなかった。2021年度に実行する計画である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Adapting mental health services to the COVID-19 pandemic: Reflections from professionals in four countries2020
Author(s)
Jurcik, T., Jarvis, G. E., Zeleskov Djoric, J., Krasavtseva, Y., Yaltonskaya, A., Ogiwara, K., Sasaki, J., Dubois, S., and Grigoryan, K.
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Journal Title
Counseling Psychology Quarterly
Volume: 33
Pages: 1-27
DOI
Peer Reviewed / Open Access