2020 Fiscal Year Research-status Report
Geometry of arithmetic varieties and arithmetic positivity
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20K03548
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
生駒 英晃 四天王寺大学, 教育学部, 講師 (90533638)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 代数幾何学 / アラケロフ幾何学 / 数論的多様体 / 数論的正値性 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、当初の研究計画にある通り、アデール的因子と基底条件の巨大な組の空間上の、カルティエ素因子についてのオーダーが0になる境界上における、数論的体積関数のカルティエ素因子方向の片側微分可能性について、論文の執筆を進めた。片側微分可能性の結果について、かなり見通しの良い証明の方針が得られており、細部を確認しつつ論文を書き上げたい。この結果を令和3年度中に雑誌に投稿し、公開する予定である。この境界上での数論的体積関数の片側微分可能性の結果によって、組の数論的体積関数の微分可能性を一般的な形で記述することが可能となる。また、この微分可能性の結果を代数多様体上の有理点の問題に応用することについても鋭意研究を進めている。 また当該年度に、Chen氏との共著論文「On subfiniteness of graded linear series」が European Journal of Mathematics 6 (2020) no.2, 367-399 に掲載された。さらに、森脇氏、川口氏とのモーデル予想に関する共著書を英訳し、「The Mordell Conjecture - a complete proof from Diophantine geometry - 」として令和3年度中に出版される予定となった。 令和2年度は、新型コロナウイルス流行の影響により、多くの研究集会が中止またはオンライン開催となったこともあり、研究成果について研究発表を行うことはできなかった。ZAG などの Zoomで開催されている研究集会には必要に応じて参加し、本研究の関連分野について最新の研究情報を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度は、新型コロナウイルス流行の影響により、大学の講義がオンライン講義や、オンラインと対面のハイブリッド講義で実施されることとなったことを受け、講義にかかる準備や手間が例年より格段に増加した。また、毎年開催されていた「Arakelov Intercity Seminar」は開催中止となり、研究を目的とした出張も自粛となったため、研究に関わる情報交換を行うことも困難であった。さらに、講義の開講時期が遅れた影響により、長期休暇も例年より短く、大学の他の業務も入って研究時間を十分に確保することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に沿って、令和3年度中に、アデール的因子と基底条件の組の空間の境界上の、数論的体積関数の基底条件方向の片側微分可能性を確立し、論文にまとめて発表する。さらに、数論的体積関数の有理点の問題への応用を与える。特に代数曲線上の組に対応する高さ関数の定義をトーリック多様体の場合に一般化して、数論的な問題への適用を考えたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、「Arakelov Intercity Seminar」が中止となり、また、多くの研究集会がオンライン開催または中止となったため、研究目的の出張を行うことができなかった。次年度以降の状況を判断しつつ、研究目的での海外滞在、物品の購入、研究集会の開催などに使用したい。
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Research Products
(2 results)