2022 Fiscal Year Research-status Report
Geometry of arithmetic varieties and arithmetic positivity
Project/Area Number |
20K03548
|
Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
生駒 英晃 四天王寺大学, 教育学部, 講師 (90533638)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 代数幾何学 / アラケロフ幾何学 / 数論的多様体 / 数論的正値性 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、論文「Differentiability of the arithmetic volume function for pairs」を雑誌に投稿し査読中である。この論文で、アデール的因子と基底条件の巨大な組の空間の上の数論的体積関数について、カルティエ素因子Y方向の微分可能性(Y巨大錐の内部にある場合)とY巨大錐の境界上でのY方向の片側微分可能性(ネフかつY巨大なアデール的因子の場合)を確立した。さらに、一般に巨大な組に対して、数論的正値交点数についての直交関係式を証明した。これは、数論的ザリスキー分解の正部分と負部分の直交性の一般化にあたる。 特に、Eを効果的なカルティエ因子とするとき、ネフかつE巨大なアデール的因子において、Yに沿って特異性を持つような特異関数に沿った片側微分可能性を示した。言い換えると、ネフかつE巨大なアデール的因子において、大域切断の空間は変更せず、そのノルムをアデール的Eグリーン関数による部分ノルムに変更するとき、数論的体積関数が片側微分可能で、その微分係数が数論的制限正値交点数で与えられるということである。 残る問題として、数論的制限正値交点数の、Yに沿った重複度が0の境界上での連続性(ネフかつY巨大な場合はすでに示したので、一般のY巨大な場合)とY巨大でない組での連続性について、鋭意解決していきたい。また、この微分可能性の結果を代数多様体上の有理点の問題に応用すること、ユアン・ジャンの準射影的代数多様体上の数論的交叉理論との関係についても鋭意研究を進めている。 令和4年度9月にスペインマドリードのICMATで開催された「Arakelov intercity seminar 2022 at ICMAT」に参加し、特に数論的制限正値交点数の境界上での連続性に関して、研究成果を発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度は、論文「Differentiability of the arithmetic volume function for pairs」について、ネフかつY巨大なアデール的因子において数論的制限正値交点数が片側連続であることと、一般の巨大な組において数論的正値交点数が直交関係式を満たすことを加筆し、雑誌に投稿した。また、Arakelov intercity seminar 2022 at ICMATにおいて、研究成果を発表した。
|
Strategy for Future Research Activity |
数論的制限正値交点数の境界上における片側連続性について、Y巨大かつYに沿った重複度が0の場合とY巨大でない場合の2つの場合を示すことが残っているので、鋭意これを解決したい。また、ユアンとジャンにより、準射影的代数多様体上の数論的交叉理論を使った、一様ボゴモロフ予想への応用が示された。基底条件のアイデアも元々準射影的代数多様体上の高さ理論の確立にあったため、彼らの結果との関係について明らかにしていきたい。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス蔓延に伴い、オンラインの研究集会や動画による講演配信が増加し、現在使用しているデスクトップパソコンは購入から6年目であったため、最新のデスクトップパソコンに買い換えたいが、電子書籍や研究発表動画、講演動画等の保存、数式や数値データの処理に十分なストレージとメモリをカスタマイズする場合に、当該年度の未使用額で購入できなかったため。
|
Research Products
(1 results)