2021 Fiscal Year Research-status Report
Cohomology of Coxeter groups, Artin groups, and Coxeter quandles
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20K03600
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
秋田 利之 北海道大学, 理学研究院, 教授 (30279252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉永 正彦 北海道大学, 理学研究院, 教授 (90467647)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | クロス加群 / Schur被覆 / ブレイド群 / カンドル |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)カンドルQの随伴群Ad(Q)はカンドルの構造の解明において最も重要な群であるが、表示で定義されるため調べるのが難しい。Grana-Heckenberger-Vendramin(2011)は有限カンドルQに対しAd(Q)の有限商群F(Q)を導入することにより様々な結果を得ていた。本研究では丹野信義、長谷川蒼と共にGrana等の構成を無限カンドルを含める形で一般化し(i)Ad(Q)の中心拡大としての特徴付け(ii)Ad(Q)の交換子群の構造(iii)Ad(Q)の分類空間のホモトピー・プルバックとしての特徴付けなど多くの結果を得た。結果を纏めた論文はKodai Mathematical Journalに掲載が決定している。 (2)群のSchur被覆はJ. Schur(1911)による有限群の射影表現の研究において見出された概念であり、完全群の普遍中心拡大の一般化となっている。一方、クロス加群(crossed module)はJ. H. C. Whitehead(1949)による低次のホモトピー群の研究において導入された概念であり、Postnikov不変量を介して群の3次コホモロジー群と関係している。クロス加群はホモトピー2型(homotopy 2-type)のモデルや群の高次元化とみなせることから、ホモトピー論を超えて様々な数学と関連している。さらにクロス加群から本研究の主な対象であるカンドルが誘導される。Huebschmann(2012)はブレイド群のSchur被覆がブレイド群上の一元生成自由クロス加群であることを示している。そこで本研究では研究代表者の学生であった川崎理佳子と共同でブレイド群のSchur被覆の有限表示を求めた。表示を求める際には対称群のZ/2に値を持つ2コサイクルの具体的な値の計算が鍵となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は(1)K(π,1)予想、(2)ホモロジー安定性、(3)Coxeter群、Artin群、Coxeterカンドルの随伴群の (コ)ホモロジーの関係、(4)Coxeterカンドルのコホモロジー、(5)放物的部分群構造を持つ群への一般化の5つのテーマからなる。概要欄(1)で述べたカンドルQの随伴群Ad(Q)の商群F(Q)の導入とF(Q)を介したAd(Q)の構造に関する一連の結果はテーマ(3)と(4)に深く関わる研究である。また概要欄(2)で述べたブレイド群の中心拡大に関する結果は(i)ブレイド群はArtin群の一つであること(ii)クロス加群から(添加)カンドルが得られるという意味でクロス加群はカンドルの特別なものであることから本研究と関わっている。一方、テーマ(1)、(2)のArtin群に対するK(π,1)予想とホモロジー安定性の研究には当初想定していなかった技術的な難しさがあったための進捗に遅れが生じている。コロナ禍で内外の専門家との議論がしにくかったことも進捗が遅れている一因である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は(1)K(π,1)予想、(2)ホモロジー安定性、(3)Coxeter群、Artin群、Coxeterカンドルの随伴群の (コ)ホモロジーの関係、(4)Coxeterカンドルのコホモロジー、(5)放物的部分群構造を持つ群への一般化の5つのテーマからなるが、3年目は研究実績の概要欄で述べた研究を一般化・深化することにより本研究の一連のテーマに寄与することを考えている。 具体的には概要欄(2)で述べたブレイド群の中心拡大とクロス加群に関するHuebschmann(2012)の結果および我々の他の群、とくにArtin群の場合に一般化できないかを試みる。Huebschmannは彼の結果がブレイド群に特有のものと述べているが、我々はある種のArtin群に対しても同様の結果が成り立つと考えている。これらの研究は佐藤隆夫、川崎理佳子(ともに東京理科大学)との共同研究である。 第二に概要欄(1)で述べたカンドルQの随伴群Ad(Q)のコホモロジーと商群F(Q)のコホモロジーの関係を研究する。Ad(Q)からF(Q)への自然な全射は有限生成自由アーベル群を核とする中心拡大であることが本研究で証明されており、これらを結びつけるLyndon-Hochschild-Serreスペクトル系列の解析が一般の場合に比べて容易であることが理由である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により予定していた出張を伴う研究連絡がほぼ全て取りやめになったため。
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Research Products
(2 results)