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2020 Fiscal Year Research-status Report

グラフ構造の幾何学的表現の解析による数論的変換のエルゴード理論

Research Project

Project/Area Number 20K03661
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

仲田 均  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 名誉教授 (40118980)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywordsエルゴード理論 / 連分数変換 / Farey グラフ / 虚二次体
Outline of Annual Research Achievements

当該年度は主に下記3テーマを中心に研究を行った:
1) 実連分数変換の中でも特に、α連分数変換とよばれる1パラメーターの族に対してのエントロピーの変化を、Fareyグラフにおける測地線の特徴付けを用いて議論することによって研究を行った。これにより、2012年にC. Kraaikamp他により提起されていた問題の解決に成功した。この研究に関する論文は近々研究誌に掲載される予定である。
2) 有限体の元を係数に持つ三つの多項式に対する一般化されたユークリッドアルゴリズムのコストに関する研究をフランスの研究グループ他と行った。この研究では局所体のグラフ上の変換として捉えることが有力な研究方法を与えることが判明し、今後の研究成果が期待できる。この研究はフランスCNRS上級研究員V. Berthe女史の研究グループとの共同研究である。この研究グループのW. Steiner氏とは上記と異なったタイプのα連分数変換に関してそのエルゴード理論に関する研究も行った。これらの研究成果は近日中に論文として公開する予定である。
3) 複素連分数変換のエルゴード理論をグラフ構造に支配された自然拡大を用いて研究を行った。この研究は本課題研究の中で核をなすものであり、当該年度では次年度以降の研究の基盤となる幾つかの基礎的研究を行った。今後は、夏井利恵(日本女子大准教授)、江居宏美(弘前大准教授)との共同研究を中心に進めていく予定である。
他に、α-N-連分数変換とよばれる有限個の自然数による実数の連分数展開に付随する力学系の構造に関してデルフト工科大学(オランダ)のC. Kraaikamp氏の研究者グループと共同研究を行った。本年度は写像のグラフにギャップが存在しないための条件について詳細な研究を行った。次のステップとしてギャップの存在する場合についてその構造に関する研究を現在継続中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

コロナウイルス感染拡大影響のため共同研究者の大半が教育など他の業務で多忙になり研究に割くことのできる時間が大幅に減少した。また同じ理由で出張制限により、直接の研究議論、打ち合わせが不可能となりそのため研究の進捗および共同研究論文の作成に遅れが出ている。また、海外研究者との研究連絡が順調にいかず、国外出張も不可能であったため海外研究者との共同研究でも遅れが出ている。

Strategy for Future Research Activity

今回の研究の遅れをもたらした事情はまだ続いている。また当面状況の解消の見込みは立たないため、国外研究者との共同研究の比率が高い複素数に関するFareyグラフの研究は半年程度見合わせ、当面の間、複素連分数のエルゴード理論についての研究に重点を置く。また、tree上のエルゴード理論についての研究も並行して続ける。もし国外出張が可能となった場合には2022年2月あるいは3月にパリ(CNRS研究所)およびデルフト工科大学を訪問し、共同研究および今後の研究計画についての打ち合わせを行う。また、オーストリアのLeoben大学J. Thuswaldner教授との虚二次体のFareyグラフに関する研究についても2022年度後半にはメール、web会議などを通して共同研究を再開する予定である。

Causes of Carryover

理由:コロナウイルス感染拡大の影響で出張、とりわけ国外出張が実質不可能になったため旅費を主な研究経費とする研究のため大幅な繰り越し金が生じた。
使用計画:現時点では国外出張、海外研究者招聘ともに見通しが立たないため国内研究者との研究討論、打ち合わせのための国内旅費が研究費使用の中心になる可能性が高い。国外出張が可能になればフランス、オランダに出張するための旅費として使用する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021 Other

All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results)

  • [Int'l Joint Research] CNRS(フランス)

    • Country Name
      FRANCE
    • Counterpart Institution
      CNRS
  • [Int'l Joint Research] Delft University of Technology(オランダ)

    • Country Name
      NETHERLANDS
    • Counterpart Institution
      Delft University of Technology
  • [Journal Article] On the ergodic theory of Tanaka--Ito type α-continued fractions2021

    • Author(s)
      Hitoshi Nakada, Wolfgang Steiner
    • Journal Title

      Tokyo Journal of Mathematics

      Volume: 44-2 Pages: -

    • DOI

      10.3836/tjm/1502179343

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-12-27  

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