2020 Fiscal Year Research-status Report
Application of algebraic combinatorics and information geometry to spherically-uniform arrangement of sample points for the method of fundamental solutions
Project/Area Number |
20K03729
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中口 悦史 東京医科歯科大学, 教養部, 准教授 (70304011)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 偏微分方程式の数値解法 / 代用電荷法(基本解法) / 球面調和関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
3次元ラプラス方程式の単位球面境界値問題に対する代用電荷法,すなわち境界面と同心の外部球面上に中心(電荷点)を持つ有限個の点電荷ポテンシャルの重ね合わせで近似する問題を取り上げ,これまでに得られた結果を整理することから始めている。この近似問題は,境界面中心と各電荷点を結ぶ線分が境界面と交わる点(拘束点)において近似解の値を指定すること(同相配置)により,電荷点の個数(拘束点も同数)を次数とする実対称行列を係数行列に持つ連立一次方程式で記述される。この連立一次方程式の係数行列の固有値分布が,元の境界値問題の固有値分布をよく近似することが知られており,この固有値分布の差異,特に重複固有値の解れの評価が本研究課題の目標とするところである。 すでに当年度までに,5つの正多面体の頂点に標本点(電荷点および拘束点)を配置した場合については,上の連立一次方程式の係数行列の固有値・固有空間の同定と,元の境界値問題の固有値・固有関数(球面調和多項式系)との比較について,部分的に結果が得られており,これを整理・補強して適当な時点で公表したいと考えている。 また,3次元球面上の標本点配置の対称性の評価のために,3次元空間における図形の操作(並進+回転+反転・鏡像)の表現と評価が必要となるが,これを用いた関連問題として,2枚の3次元曲面の最近接配置問題とCAEへの応用についても,並行して検討を進めている。 なお当年度は,新型コロナ感染症拡大による,所属機関のテレワーク推奨と遠隔授業実施対応等のため,当該研究課題遂行のエフォートが低下し,進捗は予定より大幅に遅れており,成果公表には至っていない。次年度はこれらの状況が改善される見込みのため,エフォートも改善できると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症拡大による,所属機関のテレワーク推奨と,担当授業の同期型オンライン実施への対応,さらに所属機関および部局におけるオンライン授業支援業務のため,当該研究課題遂行のエフォートが低下したため。
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Strategy for Future Research Activity |
球面調和関数の空間とその代用電荷法近似の空間における固有値分布の比較,特に重複固有値の近似による解れについての評価・検討を急ぐ。並行して,代数的組合せ論や多様体の考え方を援用して,球面上の標本点配置の諸特性に対する評価指標の検討を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症拡大による,所属機関のテレワーク推進と遠隔授業実施対応等のため,当該研究課題遂行のエフォートが低下し,当初計画通りの物品調達が進められていない。また参加予定だった学会等もオンライン開催となって,出張旅費の使用がなくなった。次年度は,テレワーク推進が緩和され,担当授業も原則対面実施が再開される予定であり,所属期間にある研究室での研究を進めることができる見込みのため,コンピュータ等の主要物品の調達を進める。一方で,出張旅費の使用は今後も見込めないが,学会等はオンライン開催が続くと思われるため,予定していなかった学会等へのオンライン参加も増やす。
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