2022 Fiscal Year Research-status Report
超小型衛星に搭載する膜面型ダストセンサシステムを用いたβメテオロイド観測
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20K03991
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
石丸 亮 千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 上席研究員 (10573652)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 超小型衛星 / 宇宙塵 / ダストセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、去年度の8月19日にイプシロンロケット5号機により打ち上げられた超小型衛星ASTERISCの運用を継続している。衛星運用は全て千葉工業大学内に設置された千葉工大地上局にて行っている。 初期運用では、膜面型ダストセンサを展開し、軌道上粒子の観測に初めて成功している。またバスシステムについては、安定した電力収支サイクルの成立、コマンドアップリンクおよびダウンリンク通信、姿勢センサ(太陽センサ、磁気センサ、ジャイロ)を用いた姿勢決定と磁気トルカを用いた姿勢制御など技術項目全てに成功している。ミッションおよびバスシステムいずれもミニマムサクセスを達成したため、定常観測運用に移行した。 定常観測運用では、磁気トルカを用いて衛星をスピンさせることで、衛星のスピン軸を慣性空間の特定方向に指向させるスピン安定姿勢をとらせている。衛星のスピン軸が膜面型ダストセンサの法線方向となるコンフィギュレーションであるため、膜面型ダストセンサを目的のダスト粒子の飛来方向に指向させ続け観測することが可能となっている。衛星がスピン状態にあると、衛星搭載送信アンテナの向きが回転するため、ダウンリンク通信に切れ込みが発生しやすくなる。そこで、地上局に対する衛星の位置に応じて、使用する衛星搭載アンテナ(ASTERISCに2つの送信アンテナが逆向きに搭載されている)を切り替える制御を行うことで、切れ込みを抑制し、取得した観測データの高速ダウンリンクができている。 定常観測運用と並行して、定常観測で取得された観測データの解析を現在進めているが、打ち上げ前に計画していた解析手順では信号との判別が難しいノイズ波形が観測データに含まれることがわかっている。そこで、令和5年度まで科研費の期間を延長し、データ解析用プログラムの開発を継続することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
打ち上げ前に予期していなかったノイズを処理するためのフライトデータ解析プログラムの開発を継続する必要があるため。
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Strategy for Future Research Activity |
定常運用と並行して、軌道上で実際に得られたフライトデータの特性を考慮した解析プログラムの開発を行う。得られた成果については学会、論文等で報告する。
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Causes of Carryover |
得られたフライトデータの特性に合わせて解析プログラムの改修・開発を継続する必要が生じたため、令和4年度に計画していた開発・試験や成果報告に関する支出ができなかった。未使用額は、令和5年度にこれらの支出に充当する。
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Research Products
(4 results)