2020 Fiscal Year Research-status Report
Research on decision making methods that makes mobile robots avoid risks on their tasks under uncertainty
Project/Area Number |
20K04382
|
Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
上田 隆一 千葉工業大学, 先進工学部, 准教授 (20376502)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林原 靖男 千葉工業大学, 先進工学部, 教授 (20298293)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 移動ロボット / ナビゲーション / 動的計画法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、国内学会発表一件とソフトウェア開発を行った。国内学会発表においては、自己位置推定が不確かでも適切な行動選択をするためのQ-MDP法を拡張した手法を提案した。この拡張では、移動ロボットがゴールへ移動するための行動決定ルール(方策)のほかに、移動ロボットが自己位置の情報を得やすい場所へ移動するための方策を移動ロボットに持たせ、これらの方策を切り替えるアルゴリズムを組み込んだ。これにより、シミュレータ中において、自己位置推定が不確かで、地図中に記載された障害物にぶつかりそうな場合、移動ロボットが観測行動によって不確かさを減らしてから障害物を回避する行動をとることを示した。
ソフトウェア開発については、今後、本研究で利用するために、Q-MDP法で使用される価値反復というアルゴリズムを実装した。また、この計算結果をグラフィカル表示するためのソフトウェアを開発した。価値反復アルゴリズムは、これまで、移動ロボットを走行させる前に、方策をあらかじめ計算するために用いられるものであった。しかし、高速に計算可能なプログラムを実装できたため、移動ロボットの動作中に方策を計算することが可能となった。これにより、移動ロボットが地図中に記載された障害物にぶつかりそうな場合、その場で方策を変更する方法が考えられるようになり、今後の本研究において、上記の手法とあわせて検証するための目処がついた。このソフトウェアはロボットオペレーティングシステム(ROS)で利用できるように実装し、一般公開をしている。
その他、価値反復アルゴリズムや提案手法を検証するためのロボットの整備を行い、センサの取り付け、他のソフトウェアを整備して予備実験を行った。まだ提案手法は組み合わせていないが、屋外の自律走行に成功している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たなアルゴリズムをひとつ提案し、次年度以降の実機実験に向けたソフトウェアの構築を行っている。実機実験に向けては特に予期していないことは起きておらず、また、研究グループ自体にノウハウがあるため、今後も大きな問題は起きないと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
実機実験のためのソフトウェアには、上記の価値反復のためのソフトウェアを組み合わせるために、移動ロボットを動作させる際にROSと共に用いられる標準的なソフトウェアに手を入れなければならない。2021年度前半は主にこの作業を行い、実機での動作検証を行っていく。
また、新規アルゴリズムの考案にはROSのシミュレータを有効利用する。シミュレータ環境において、センサで検知できない障害物を設置したり、自己位置推定の不確かな状態を再現したりと、実機では準備が難しい、あるいは準備に時間がかかる状況を再現してアルゴリズムを検証する。
これらの作業やアルゴリズムの考案、検証については2021年度中に国内学会に成果を公表する。また、2022年度の国際学会への論文投稿を行う。
|
Causes of Carryover |
LiDARが当初の予定よりも安価に入手できたこと、学会がオンライン開催で旅費が発生しなかったことが、次年度使用額が生じた主な理由である。これらは、実験システムのセンサや計算機の強化に充てる。
|
Remarks |
GitHub(https://github.com/)にアップロードしたものは、本研究で使用しているソフトウェアを公開したもの。
「津田沼チャレンジ」は本研究のためのセンサやソフトウェアの試運転を行ったもの。
|