2020 Fiscal Year Research-status Report
Realizing bicycle rider support information system and verifying its effectiveness
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20K04731
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
間邊 哲也 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (20640197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 文 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (40637998)
金 帝演 鶴岡工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (50510062)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ITS / 自転車 / 安全走行支援情報システム / 走行方向識別 / 画像セグメンテーション / 路面標示 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高速・大容量な無線通信技術、正確・高精度な位置特定技術、新たな道路インフラ設備に依存せず、スタンドアロンで動作する「自転車のための安全走行支援情報システム」の実現方法とその効果を明らかにすることを目的に進めている。今年度は安全走行支援情報システムの実現に向けて、基本システムの構築、および、自転車における危険・違反運転の一つである「逆走」に注目した要素技術の確立のための検討を行った。 まず、基本システムの構築について、自転車における危険・違反運転を検出する上で必要となりうる各種センサ(カメラ、加速度センサ、リードスイッチなど)、および、情報提示に必要となりうる各種デバイス(発光ダイオード、液晶ディスプレイ、圧電ブザー、スピーカ、振動モータなど)を市販の小型コンピュータにより制御する仕組みを確立した。 次に、逆走に注目した要素技術の確立について、カメラ映像を用いた走行方向識別、提示内容を直感的に理解するためのユーザインターフェイスについて検討した。走行方向識別では、画像セグメンテーションを用いた手法、上下非対称な路面標示を用いた手法をそれぞれ構築した。さらに、鶴岡市内・さいたま市内の走行映像を用いた識別性能を評価した結果、いずれの手法についても走行道路環境に依らず高い識別率となった。ユーザインターフェイスでは、評価システムを搭載した自転車を用いた実車走行実験を行った。具体的には、警告への気付きやすさ、提示内容の理解のしやすさの観点で、視覚・聴覚・触覚の各刺激の一対比較評価を行い、自転車のための安全走行支援情報システムの実現に資する知見を獲得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自転車のための安全走行支援情報システムは、各種センサ類で構成される「入力部」、取得した信号等を用いて危険・違反運転を検出する「検出部」、危険・違反運転検出時に運転者に警告を行う「提示部」の3種類で構成される。今年度は、本システムが対象とする危険・違反運転の一つである「逆走」について、「入力部」「検出部」「提示部」の全要素で必要な知見が獲得できた。特に、検出部においては、構築した2種類の手法のいずれも走行道路環境に依らず高い識別率となった。提示部においては、視覚・聴覚・触覚の各刺激について、警告への気付きやすさ、提示内容の理解のしやすさの差異を明確にすることができた。以上の知見は、自転車のための安全走行支援情報システムの実現方法を確立する上で重要な役割を果たすものである。
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Strategy for Future Research Activity |
逆走以外の危険・違反運転の検出として、歩道走行を含む「自転車走行状態」の検出、および、その警告内容を直感的、かつ、確実に運転者に伝達するためのユーザインターフェイスの検討を行う。また、本システムについて児童の利用を想定した場合、保護者からの評価が普及の重要な要素となることから、子育て世代を対象として児童の自転車乗車時の危険行動・危険事象の実態、本システムの利用意向などについて、ウェブアンケート調査を行う。さらに、自転車走行方向識別について、小型コンピュータに実装するための知見を獲得する。
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Causes of Carryover |
緊急事態宣言発出により、当初予定していた実車走行を伴う実験の実施規模縮小を余儀なくされたため。次年度は、感染症対策を十分に行った上での実車走行実験を行う。また、システム利用意向などについてのウェブアンケート調査を前倒しで実施する。
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Research Products
(4 results)