2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of Land Use Planning Support Systems for Huge Disasters in Japanese Provincial Cities
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20K04868
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
渡辺 公次郎 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (30372717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻岡 卓 四国大学, 経営情報学部, 准教授 (20389159)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 洪水被害額 / 原子力発電所 / 土地利用 / グリーンインフラ / 台中市中心市街地 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、3つのテーマで研究を行った。(1)徳島都市圏を対象とした洪水リスク評価、(2)原発周辺の土地利用の方向性評価、(3)台湾のグリーンインフラに関連した土地利用に関する調査である。 テーマ1は、昨年度に引き続き、土地利用変化の予測と被害額の推計を行い、郊外で農地転用された地域や市街化区域周辺の被害額が増加する傾向を示した。この成果は建築学会大会、国際シンポジウム(AURG2023)で報告した。 テーマ2は、当初計画になかった内容であるが、防災に配慮した土地利用の対象に原発災害を含める形で2022年度より開始している。2023年度は全国の原発立地地域における土地利用と人口の変化を集計した。原発は地域経済に与える影響が大きかったこと、原発周辺は都市計画区域外も多く、過疎化も進んでおり、無秩序な開発抑制に加え地域の生活維持が必要であることなどを示した。この成果は建築学会四国支部(2023年5月開催)、GIS学会四国支部で報告した。 テーマ3も当初計画にはなかった内容であるが、台湾・台中市の中心部を対象に、グリーンインフラの視点から防災と土地利用の関係を調査している。この調査は、本研究で目指す、自然環境資源を活用する土地利用計画に対する知見を得るためである。台中市中心部は中心市街地に残る小規模河川やネットワーク状の緑地整備などに加え、副都心開発や建築物のリノベーションも進めており、これらが総じて賑わい創出に繋がっている。現在までに関係者ヒアリング、現地調査を行っており、その成果の一部は建築学会四国支部(2024年3月開催)、国際シンポジウム(IFAT2024:2024年3月開催)で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
土地利用計画策定支援システム開発を行う予定だったが、その部分が未完成である。評価手法の改良や、評価のための知見を整理する部分が中心となったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果、得られた知見を踏まえ、ゲーミフィケーションを取り入れた支援システムを開発し、ワークショップ形式で地域の課題や計画案に関する議論を行い、その妥当性を評価する。
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Causes of Carryover |
理由1 2023年10月に中国で行われた国際シンポジウム(AURG2023)で成果報告を行ったが、ビザの都合で現地参加ができず、オンライン参加となり、旅費に残金が出た。 理由2 システム開発を行い、それを用いて専門家へのヒアリングを行う予定だったが、これを一部変更し、今年度、ワークショップ形式で行うことにした。そのため、その経費で残金が出た。 残金は、今後の推進方策で示した、ゲーミフィケーションを取り入れた支援システム開発とこれを用いたワークショップの実施に使用する。
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