2022 Fiscal Year Research-status Report
政令市・中核市における景観計画の誘導手法に関する研究
Project/Area Number |
20K04869
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂井 猛 九州大学, キャンパス計画室, 教授 (30253496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 隆文 佐賀大学, 芸術地域デザイン学部, 教授 (00232067)
Prasanna Divigal 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (70597997)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 景観計画 / 運用 / 景観行政団体 / 政令市 / 中核市 / アドバイザー |
Outline of Annual Research Achievements |
景観行政団体となっている自治体へのアンケートとヒアリングを実施した。まず、Web検索によって各自治体の景観計画の目次から運用に関する項目を抽出し、自治体ごとの景観計画の運用実態を把握した。次に、政令指定都市と中核市に対してEmailによるアンケートを行った。さらに、政令指定都市に対するヒアリングを遠隔対面により実施し、運用手法に関する質疑応答を行った。景観計画の運用に関して以下の傾向がみられた。 (1) 事前相談・協議の実施について、「任意」と回答した自治体でも「義務化したいがあくまで条例の枠組みでしかない」という自治体と「義務化する必要性がない」という自治体に分かれる。 (2) 事業者や個人へ景観アドバイザーを派遣したり、相談窓口を設けたりしている場合、派遣や相談が実施される回数は少ない。一方、景観アドバイザー会議で誘導する自治体は、会議の効果がみられている。案件によっては景観アドバイザー会議の結果が必ずしも反映されないケースもみられる。 (3) 地域景観資源について、法に基づく景観重要建造物と条例に基づく地域景観資源の両方を持つ自治体では、管理制限に大きな差はみられない。 (4) 緑化担当部署との連携がほとんどみられない都市がある一方で、緑化基準づくり、緑化の指導、誘導まで連携をとる都市もみられる。景観施策を有効に行っていくためには、他部署との連携が鍵となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
景観行政団体となっている自治体へのアンケートとヒアリングを実施した。まず、Web検索によって各自治体の景観計画の目次から運用に関する項目を抽出し、自治体ごとの景観計画の運用実態を把握した。次に、政令指定都市と中核市に対してEmailによるアンケートを行った。さらに、政令指定都市に対するヒアリングを遠隔対面により実施し、運用手法に関する質疑応答を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
計画内容に与えた効果、課題等に関する追加調査が必要な事項を抽出し、考察で得られた結論から、ヒアリングが必要な自治体担当課と学識者、キーパーソンを選定する。政令市・中核市を選定し、当該自治体に関与している学識者、キーパーソン、自治体担当者等へのヒアリングと意見交換を行う。 また、民間企業にとって取り組みやすい景観計画と景観形成手法を明らかにする。景観担当課へアンケート、ヒアリングを実施し、民間企業の景観形成への取り組みの実態について明らかにする。民間企業へのヒアリングにより、民間企業の視点から景観施策の実態を明らかにするとともに、これまでの調査で課題として挙がった自治体の景観施策の実態を明らかにする。最後に、調査結果を基にした景観施策の改善策に関する考察を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により出張調査に制約を受けたことから、景観計画と景観行政運用の実態に関する景観行政団体へのヒアリングと視察をさらに実施する必要があることから、次年度まで使用額を延期している。
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Research Products
(4 results)