2020 Fiscal Year Research-status Report
Synthesis and LC-MS/MS Analysis of Cyclic Desmosien Peptides
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20K05734
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
臼杵 豊展 上智大学, 理工学部, 准教授 (50514535)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エラスチン / 環状ペプチド / デスモシン |
Outline of Annual Research Achievements |
弾性線維エラスチンは、皮膚や靭帯、血管などの弾性・伸縮性に寄与するタンパク質であり、ピリジニウムを含むアミノ酸であるデスモシン類を中心とする架橋構造をもつ。しかし、架橋部位周辺の化学構造は長い間、解明されていない。我々は、パラジウム触媒を用いたクロスカップリング反応などに基づく有機合成化学的戦略により、デスモシン類の世界初かつ唯一の全合成(化学合成)を達成している。 本研究では、確立した有機合成法を基盤として、これまでの研究で推定されているアミノ酸配列に基づくエラスチン架橋部位の環状ペプチド型デスモシン類の化学合成と、LC-MS/MS(高速液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析計)分析によるエラスチン架橋構造の同定を目的とする。 出発物質である三置換ハロピリジンと対応するアミノ酸との段階的なクロスカップリング反応を遂行した。この際、最初の薗頭クロスカップリングは収率・再現性よく進行したが、2段階目の根岸クロスカップリングに収率・再現性ともに課題を残した。原因を究明中である。現在のところ、カップリング体の合成までを完了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ過で実験が思うように進まなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、クロスカップリングの検討を行い、最初の課題である環状ペプチドの合成を推進する。
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Causes of Carryover |
コロナ過で研究の進展が滞ったので、今年度は合成実験用の試薬や溶媒の購入により予算を執行したい。
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Research Products
(28 results)