2022 Fiscal Year Research-status Report
加熱食品由来発癌物質のゲノム不安定性作用に対するレスベラトロールの遺伝子制御機構
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20K05943
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
奥平 准之 帝京大学, 医学部, 助教 (10635585)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | レトロトランスポゾン / LINE-1 / SIRT6 / PPAR / レスベラトロール |
Outline of Annual Research Achievements |
食品に含まれるポリフェノールの一種のレスベラトロール(resveratrol:RV)は、抗酸化作用等の様々な効能が報告されている。申請者は、RVにゲノム不安定性を誘導するレトロエレメントを抑制する作用を見出した。内在性レトロエレメントの中でも1細胞中に約52万コピー(全ゲノムの約17 %)存在するLong Interspersed Element-1(LINE-1以下L1)の転移能を活発化させる。L1は特徴的で、80-100コピーは正常細胞中でも転移機能を有している(retrotransposition:以下RTP)。本研究は、RVのL1-RTPを抑制する機序を明らかにし、肉や魚を加熱処理した際にできるヘテロサイクリックアミン(以下HCAs:heterocyclic amines)によるゲノム不安定性誘導機構に関与するL1の抑制因子の探索を行った。 私たちは、RVのリガンドであるPPARとL1の抑制因子として知られているSIRT6に着目した。その結果、RVはSIRT6の発現量を増加させ、SIRT6のsiRNAを細胞に導入すると、RVによるL1-RTP抑制能が解除された。PPARでのsiRNAでも、同様にRVによるL1-RTP抑制能が解除された。また免疫沈降実験を行うと、L1の構成蛋白の1つであるORF1とSIRT6やPPARが結合することが示唆された。HCAsやL1-RTPを誘導する化合物について実験すると、RVによるL1-RTP抑制能が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの研究成果を論文化している。マウスでの実験がやや遅れている。マウスの作出に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験を中心に進める予定である
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Causes of Carryover |
動物実験用の実験消耗品を使用しなかったため。
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Research Products
(1 results)