2022 Fiscal Year Annual Research Report
A possible role of phenylpropanoid metabolism in life cycle of Tricholoma matsutake
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20K06166
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
服部 武文 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 教授 (60212148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉住 真理子 徳島県立農林水産総合技術支援センター(試験研究部), 徳島県立農林水産総合技術支援センター(資源環境研究課), 専門研究員 (40822846)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マツタケ / カルボキシメチルトランスフェラーゼ / ケイ皮酸メチル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マツタケにおいてケイ皮酸→ケイ皮酸メチル過程を遺伝子のレベルで解明することを目的とする。2021年度までにcinnamate carboxyl methyltransferaseをコードするcDNAをマツタケよりクローニングし大腸菌で発現させ、部分精製組換え酵素が本活性を示すことを報告した。2022年度は、上記組換え酵素調製過程にて、超音波破砕後の不溶性画分から、活性組換え酵素を抽出する条件を確立した。即ち、超音波破砕した菌体を遠沈し、可溶性画分1を得た。一方、ペレットを、1%(v/v) Triton X-100を含む50 mM Tris-HCl (pH 7.5)中、Potter-Elehjem型ホモジナイザーで破砕し、スラリーを氷中で1時間攪拌した。遠沈後Triton X-100を含まない同緩衝液で洗浄した。遠沈後ペレットを同緩衝液に懸濁しovernight攪拌しながらタンパク質を抽出し可溶性画分2を得た。可溶性画分1、2を別々に、His bind resin で精製し、各々精製酵素1、2を得、Total タンパク質量、比活性を比較した。精製酵素1の2.1倍のタンパク質量の精製酵素2を超音波破砕後ペレットより得た。一般的に超音波破砕後ペレットinclusion bodyからの目的タンパク質抽出に用いられる、尿素、グアニジン塩酸塩では、抽出効率は低かった。得られた精製酵素を用いて、特性解明を進めている。助成をいただいた期間で以下の成果を得た。① マツタケ培養菌糸由来無細胞抽出液より、ケイ皮酸→ケイ皮酸メチル活性を検出した。② 当該活性を持つタンパク質をコードするcDNAをマツタケ培養菌糸よりクローニングした。③ 本cDNAから調製した組換え酵素の特性解明を進めた。④ 自然界でのマツタケ子実体発生地を確認し、当該遺伝子発現を明らかにするマツタケ子実体を得た。
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