2020 Fiscal Year Research-status Report
リタイヤした新規参入者の離農要因と新規参入支援の改善方策に関する実験的経営研究
Project/Area Number |
20K06281
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
山本 和博 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (70504124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 秀介 筑波大学, 生命環境系, 教授 (50355468)
島 義史 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業研究センター, グループ長 (10414781) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 新規参入者 / リタイヤ / 離農要因 / 支援方策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,新規参入者の受け入れ体制が充実している公社やJA運営型等の就農研修機関への在籍経験者について,定住した新規参入者,研修や就農をリタイヤした新規参入者別に,1)リタイヤした新規参入者の特性と離農要因,並びに支援内容に対する評価,2)定住した新規参入者の特性、並びに支援内容に対する評価,3)受け入れ側における人選方法の問題点摘出と審査基準の策定を解明することにある。 本年度は,公社やJA運営型の就農研修機関における研修や就農をリタイヤした新規参入者への聞き取り調査を実施した。一部の対象者は研修機関や農家との確執・感情等により調査を拒否したものの,就農研修機関における指導者への聞き取り調査によりその代用が可能であることが明らかとなった。これら対象者への聞き取り調査により,リタイヤした新規参入者の属性や研修参加動機,進路変更前後の経緯,並びにリタイヤした要因を明らかにした。特にリタイヤした要因について,研修中止の主要因は,農業研修参加への動機の弱さなど心理的要因であること,そして,就農後の離農の主要因は,その心理的要因より,コミュニケーション不足やトラブル,技術力不足,労働力が常に一人であることなどの経営者能力に関わる要因の影響が大きいことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響により事例調査回数は減少したものの,公社やJA運営型の就農研修機関における研修や就農をリタイヤした新規参入者,並びに就農研修機関における指導者への聞き取り調査により,リタイヤした新規参入者の属性や研修参加動機,進路変更前後の経緯,並びにリタイヤした要因を明らかにした。これらのことから,「概ね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画どおり,2年目については特に2)定住した新規参入者の特性と支援内容に対する評価,及び3)受け入れ側における人選方法の問題点摘出と審査基準の策定に取り組む。また,事例調査回数が減少することを想定して,調査対象者を概ね10年以上の長期間定住している調査対象者に限定する。
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Causes of Carryover |
1点目は,研究分担者の行政への異動により研究費が当初の計画どおり使用されなかった。2点目は,コロナ禍により当初計画していた研修機関への事例調査が十分にできなかった。これらにより次年度使用額が生じた。
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Research Products
(6 results)