2022 Fiscal Year Research-status Report
原発災害被ばく後10年間における野生ニホンザルの健康影響評価
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20K06400
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
羽山 伸一 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (80183565)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 原発災害 / 野生動物 / 放射線被ばく影響 |
Outline of Annual Research Achievements |
2011年3月に発生した東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の爆発により、放出された放射性物質に、福島県東部に生息するニホンザルが野生霊長類としては世界で初めて被ばくした。 申請者は2008年から福島市に生息する本種を対象に妊娠率などを観測してきたが、2011年以降は筋肉中放射性セシウム濃度を測定するとともに、臨床医学的検査および病理学的検査を実施し、造血機能の低下(末梢血球数および骨髄細胞比率の減少)、胎子の体成長および脳の発達遅滞を明らかにした。 今年度は、昨年度に引き続き以上の研究を継続するため、福島市で捕獲された160頭を解剖検査した。また、被ばく後12年間に検査した個体のデータの整理と分析を実施した。 また、被ばく後10年間における放射性物質蓄積量の経時的推移について論文をとりまとめ、国際誌で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響により、国際学会への参加はできなかったが、研究期間の延長により全体計画の目標は達成できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、被ばく前後の胎子成長と被ばく量との関係を論文にとりまとめ、国際誌に投稿中である。また、繁殖率と被ばく量との関係についても分析中であり、早い段階で国際学会等で公表する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で、参加を予定していた国際学会が中止となったほか、組織標本作成の委託発注が年度末に間に合わなかったため、次年度に助成金が繰り越しとなった。 令和5年度は、上記への使用を確実に遂行する。
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Research Products
(2 results)