2022 Fiscal Year Annual Research Report
四肢再生特異的に働く転写因子を起点とした再生駆動機構解明とカエル成体の再生能回復
Project/Area Number |
20K06664
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
川住 愛子 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 訪問研究員 (80625484)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 四肢再生 / 形態形成 / ゲノム編集 / トランスクリプトーム解析 / RNA-seq / アフリカツメガエル / ネッタイツメガエル |
Outline of Annual Research Achievements |
ツメガエルは高い再生能力をもっており、幼生期に四肢を切断しても完全に再生することができるが、変態後の幼若個体では再生能力が低下して主に1本の軟骨と表皮からなるパターンのない構造(スパイク)しか再生できない。 本研究では、これまでに再生能力の高い幼生の四肢再生・発生過程における形態形成期についてトランスクリプトーム比較解析を行い、再生領域特異的に発現上昇する遺伝子10個を同定、そのうち最も再生特異性の高い2つの転写因子(X1, X2)のそれぞれについて、ネッタイツメガエルにおいてゲノム編集によりKO個体(機能欠損解析)を作製し、またアフリカツメガエルにおいて熱ショック応答により遺伝子発現を誘導できるTransgenic個体(機能獲得解析)を作製した。これらを解析した結果、KO個体(幼生)の四肢再生については、①自脚部の形態異常、②自脚部予定領域の低形成と細胞増殖の低下、③遠位/後方パターニング遺伝子の発現低下が確認され、またTg個体(変態後の幼若個体)の四肢再生ついては、④先端が2~3本に分岐した軟骨をもつ再生物の形成、⑤再生領域の遠位における一過的な膨大と細胞増殖の増加、⑥遠位/後方パターニング遺伝子の発現上昇が確認された。 本年度は上記の結果のうちでX1のみでしか結果が得られていられない②, ③, ⑤, ⑥について、X2についても結果を得るために追加実験を行った。またその結果を含めて遺伝子X1とX2がツメガエル四肢再生に果たす役割について述べた論文を作成して投稿した。
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