2020 Fiscal Year Research-status Report
サーカディアンリズムによる消化管運動調節機構の解明
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20K06714
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
坂井 貴文 埼玉大学, その他部局等, 学長 (40235114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 一郎 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (80610831)
竹見 祥大 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (70871440)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 消化管運動 / 時計遺伝子 / スンクス / サーカディアンリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、食虫目スンクスを用いて生物リズムと脳腸相関軸の基幹をなすホルモンと自律神経の関連性、すなわち「ウルトラ―サーカディアン」軸の機能連関による消化管運動調節機構を明らかにすることを目的としている。本年度は、まず交感神経を刺激する因子であるカフェインによる胃運動調節作用を検討した。その結果、カフェインは胃の空腹期収縮及び食後期収縮に影響を与えないことが明らかとなった。消化管運動調節に関与するグレリン発現と時計遺伝子の関連をグレリン産生細胞株であるSG-1細胞で検討した結果、核内受容体であるREV-ERBsはグレリンの転写を抑制することが示された。さらに、自発性の大腸収縮運動を測定した結果、スンクスの大腸において排便時にイヌやヒトで報告されているgiant migrating contractions(GMCs)様の強収縮が観察された。また、胃及び大腸運動を24時間連続で測定するとともに摂食・排便の観察を行った結果、GMCs及び排便が暗期に多く観察され、特に暗期後半(ZT 20-24)では全体の約37%であった。さらに、摂食後短時間で排便が観察されたため、スンクスではヒトと類似した摂食によって大腸運動が亢進される胃結腸反射が存在することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
消化管運動については、胃及び大腸でのサーカディアンリズムの基礎的知見を得ることができており順調に進捗している。また、グレリンやモチリンの発現と時計遺伝子との関連についても検討を進めることができており計画通りであるが、遺伝子改変スンクスの作製はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
時計遺伝子KOスンクスの作製が遅れているために、現在行っているエレクトロポレーション法だけでなく、AAVを用いることで受精卵にゲノム編集試薬を導入することを試みる予定である。
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Causes of Carryover |
スンクスを自家繁殖しているが、想定よりも繁殖がうまくいかず、予定していた実験数を行うことができず使用額が減少した。現在、スンクスの繁殖数を増やしており、計画的に使用していく予定である。
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Research Products
(5 results)