2021 Fiscal Year Research-status Report
Establishing a method for estimating species numbers for each taxon in interstitial environment
Project/Area Number |
20K06780
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柁原 宏 北海道大学, 理学研究院, 教授 (30360895)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 大輔 北海道大学, 分子生物多様性研究資料センター, 研究員 (30768445)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 扁形動物 / 間隙性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度はコロナウイルス蔓延の影響により、予定していたサンプリングがほぼ実施できなかった。かろうじて4月22日に石狩浜で調査を行うことが出来たが、その際に得られた原順列類は、これまで優先的に出現すると考えていたOtoplanidaeの2種だけでなく、極めて稀にしか出現しないと思われていた担爪類が20個体以上採集された。これらの標本から抽出したDNAを基にしてミトコンドリアゲノム決定の作業を開始した。GetOrganelleでのアセンブルはうまくいかなかったが、おそらくミトゲノムとrRNAも配列決定はできていると思われる。今後は引き続きアセンブルを行い、部分配列でもよいので、プライマーサイト設計に役立つと思われるCOIや16Sなどのいわゆるバーコード領域として従来用いられている遺伝子を優先的に決定することを目指す。簡易的な観察に基づく形態的特長からこれらは恐らくNematoplana属の一種と思われる。正確な種同定のためには成熟した個体の生殖器の構造を連続切片標本に基づいて観察する必要があるが、今年度はそのためのサンプル処理はせず、全ての個体をDNA抽出用に固定した。原順列類を構成する2つの高次分類群のうちのもう片方である担石類は石狩浜だけでなく厚岸その他の場所で多数出現することが分かっているが、確実に同種と思われるサンプルを、ミトコンドリアゲノム決定に必要な個体数(体積にもよるが恐らく20~50個体)一度にまとめて採集することに未だ成功していない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
担爪類のミトコンドリアゲノム決定は目処が立ったが、コロナウイルス蔓延の影響から肝心の担石類のサンプル入手に手間取っているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
石狩浜に優先することが分かっているOtoplanidae科(担石類)の原順列類の標本を確保し、ミトコンドリアゲノム決定を行うことを最優先に研究を進める。平行してそれらの分類学的な正体を可能な限り明らかにすることを試みる。既に解析に着手した担爪類のミトコンドリアゲノムを決定し、可能であれば短報として公表する。
|
Causes of Carryover |
コロナウイルス蔓延の影響で予定通りサンプリングが出来なかったため。次年度は、今年度遂行予定であった担石類のサンプル入手とミトコンドリアゲノム決定を行う。
|