2022 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of optically active cyclic compounds by rhodium-catalyzed cyclization through racemization of substrates
Project/Area Number |
20K06960
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大西 英博 北海道大学, 薬学研究院, 准教授 (70399955)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ロジウム / 触媒的不斉合成 / ヒドロアシル化 / アルキン / アルデヒド / 動的速度論的光学分割 |
Outline of Annual Research Achievements |
ロジウム触媒とアルファ位に置換基を持つ7-アルキナールとの反応において、添加剤として1-プロパノールを用いると、動的速度論的光学分割が進行することを見出していた。本反応では、アルキンとアルデヒドをつなぐテザー部分の適切な位置に窒素原子持つ基質が良好な結果を与えることから、この窒素原子の効果に関して、DFT計算を行い、その詳細を明らかにすることにした。その結果、窒素原子は本反応の反応機構において、酸化的付加の過程と還元的脱離の過程の二つの過程を促進することが示唆された。一方、本反応を分子間反応へと展開すべく、種々反応条件を検討した。すなわち、ガンマ位に硫黄原子を持つラセミ体のアルデヒドを基質として、フェニルアセチレンとの反応を行った。その結果、フェノールを添加剤とし、ロジウム触媒の配位子として、(R,R)-Me-duphosを用いると、71%収率、40% eeで目的のカップリング体が生成することがわかった。また、アルキンとして1-ヘキシンを用いて反応を行っても反応は進行し、目的のカップリング体が49%収率、65% eeで得られた。一方、内部アルキンと基質とすると、収率及び不斉収率が著しく低下することも見出した。現在のところ、収率及び不斉収率には問題を残しているものの、分子間反応においても動的速度論的光学分割が進行する可能性を見出した。以上の結果は、アルファ位に置換基を持つラセミ体のアルデヒドが動的速度論的光学分割を経由するヒドロアシル化の基質として利用できることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)