2021 Fiscal Year Research-status Report
再生医療・細胞治療における安全性向上を目指した腫瘍形成制御法の開発研究
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20K07095
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田原 強 徳島大学, 先端研究推進センター, 准教授 (20419708)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 再生医療 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は、Oct3/4遺伝子プロモーター領域のクローニングおよびルシフェラーゼアッセイにより未分化細胞特異的候補領域を見出すことに成功した。 今年度は、その候補領域を用い、Oct3/4遺伝子プロモーター領域により駆動するがん特異的(未分化)に機能するHSV-TKタンパク質発現ベクターの構築を実施した。領域別に発現ベクターを複数作製し、その後、ヒト脳腫瘍細胞U87MGに遺伝子導入を行い、HSV-TKタンパク質の発現を確認することに成功した。 一方、c-Myc遺伝子プロモーター領域において、未分化細胞特異的に機能する特定流域を見出すことができなかったことから、がん細胞および移植細胞の腫瘍形成コントロールシステムの構築はOct3/4遺伝子のみに頼らず、もうひとつの未分化特異的遺伝子であるNanog遺伝子に着目し、その上流領域をクローニングすることにより、より確実にがん特異的(未分化)に機能するHSV-TKタンパク質発現ベクターの構築を目指した。現在、およそ1000bp程度のNanog遺伝子プロモーター領域のクローニングに成功した。 現在、クローニングしたNanog遺伝子プロモーター領域に未分化細胞特異的に機能する領域が含まれているかを確認するため、ルシフェラーゼアッセイの準備を進めている。プラスミド構築後、培養細胞を用いて、がん細胞もしくは未分化状態の細胞(iPSあるいはES細胞)において、特異的に機能するかどうかを検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大による影響(移動制限など)、および前職理化学研究所から現職徳島大学への所属変更による移動による実験環境の整備に時間を要したため、計画段階で予定した実験が実施できなかったため、研究の進捗に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
Oct3/4遺伝子プロモーター駆動hsv-tk発現ベクターを導入した細胞において、自殺遺伝子療法が実施可能か培養細胞レベル、可能であればマウスに移植後抗ウイルス薬投与によってがんの治療が行えるかどうかを検討する。 Nanog遺伝子プロモーターにおいては、ルシフェラーゼアッセイならびにHSV-TKタンパク質発現プラスミドの構築を行い、実際に未分化細胞もしくはがん細胞において機能するかを検討し、最適な未分化細胞特異的プロモーターを特定を目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスによる影響、所属の変更による移動のため、実験が実施できなかった期間が生じたことにより次年度使用額が生じた 繰越額および本年度分の予算は、前年度より実施している未分化細胞特異的プロモーター制御下HSV-TK発現ベクターの構築ならびに、培養細胞への遺伝子導入、タンパク質発現の検討(ウエスタンブロッティングや免疫染色、活性測定など)と動物実験を実施し、その費用に使用する予定である。
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