2023 Fiscal Year Research-status Report
ながはまコホートおよび佐渡コホートのゲノム情報解析による、尿酸値関連変異の探索
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20K07316
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
三澤 計治 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10525885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三島 英換 東北大学, 大学病院, 助教 (00706939) [Withdrawn]
日笠 幸一郎 関西医科大学, 医学部, 教授 (10419583)
大内 基司 獨協医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20409155)
安西 尚彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (70276054)
横関 明男 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (90515719)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 塩基置換モデル / 分子進化 / 尿酸値 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の先行研究(Misawa et al. 2020)によれば、尿酸値に影響を与える遺伝的変異には、頻度の高いコモンバリアントだけでなく、頻度の低いレアバリアントも含まれている。コモンバリアントは人口全体に比較的高い頻度で見られ、その影響は広く研究されている。それに対し、レアバリアントは一部の個人や集団にのみ存在するため、尿酸値に与える影響を評価するのは難しい。 レアバリアントの影響を正確に評価するためには、まずその出現頻度を正確に推定する必要があると我々は考えた。すなわち、ゲノム中での突然変異によるバリアントの出現率を正確に見積もることが必要である。 研究代表者は、この課題に対処するために、ゲノム中の突然変異率を推定するための新しい方法を開発した。この新しい方法には線形代数学の対角化という手法を用いた。この方法は、この新しい推定方法を開発するにあたり、研究代表者はまず、その方法が正確かつ実用的であることを確認するために、適切なモデル系を利用した。 具体的には、研究代表者は新型コロナウイルスの配列データを使用した。新型コロナウイルスは、短期間で多くの変異が蓄積され、その祖先配列と各株の出現日時が明確に記録されているため、突然変異率の推定に最適なモデル系である。このウイルスの配列データを用いることで、新しい方法の有効性を検証し、精度の高い突然変異率推定が可能であることを示した。研究代表者は、この方法の有効性を示すために、詳細な実験結果とデータ解析を含む論文を公表した(Misawa and Ootsuki 2024)。 この新しい突然変異率の推定方法は、ヒトゲノムにも適用可能である。この新しい突然変異率の推定方法を利用することで、尿酸値に影響を与えるレアバリアントの正確な評価が可能となり、遺伝的変異が尿酸値に与える影響の推定をより正確に行うことが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響で研究期間の前半で予定の解析が進まなかった。その影響で全体の進捗が遅れている。次年度は研究成果を公表する。
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Strategy for Future Research Activity |
URAT1は尿酸の再吸収を制御する重要なトランスポーターであり、URAT1の遺伝的変異が尿酸値に影響を与えることが知られている。今後はURAT1を中心に変異と尿酸値の関わりを調べていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症により研究全体の計画が遅れた。次年度に繰り越した予算は論文掲載料として支出される予定である。
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