2020 Fiscal Year Research-status Report
胸部悪性腫瘍における免疫微小環境のモニタリングに関する研究
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20K07688
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
米田 和恵 兵庫医科大学, 医学部, 研究生(研究員) (80724806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 文啓 産業医科大学, 医学部, 教授 (10283673)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 悪性胸膜中皮腫 / 遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
「がん免疫治療」は、多種のがんにおいて新しい治療の選択肢となったが、そのうち効果が得られるのは2~3割に過ぎず、耐性化を含め有効性を予測可能な因子は未だ無い。その理由として、腫瘍とその周囲の免疫環境は治療などの状況に応じて変化することがあげられる。本研究では、肺癌や悪性胸膜中皮腫などの胸部悪性腫瘍において、末梢血中の循環腫瘍細胞(CTC)を分離・検出する”CTC-chipシステム”等を用い、低侵襲的に採取可能な血液や胸水などの液性検体と、腫瘍局所組織での腫瘍免疫状況の関連を明らかにし、腫瘍免疫微小環境のモニタリングが可能かどうか検証する。 今年度は、当初の研究計画のうち次世代シークエンサー(NGS)による遺伝子変異解析を実施した。まず悪性胸膜中皮腫において、BAP1, SETD2, NF2, CDKN2A/2Bなどを含む中皮腫関連遺伝子の全エクソン領域をカバーするカスタムプローブを作製し評価を行った。各プローブに対応する領域の中でシークエンスのリード数が少ない部分には、新たなプローブを追加することにより十分なリード数を得た。この条件により悪性胸膜中皮腫組織検体の解析を行った。検出された変異は、Sanger sequenceで同一例の血液検体との比較により体細胞変異を同定した。同一例において、治療前後の遺伝子変異プロファイルについて差異はみられなかった。 また、治療前後での免疫微小環境の変化を確認するために、組織及び血液検体の集積を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により研究開始が大幅に遅延したため。
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Strategy for Future Research Activity |
循環腫瘍細胞を標的とした解析については、中皮腫細胞株を用いたモデルサンプルによる標的細胞の濃縮方法を検討したうえで、希少な検体からの遺伝子変異検出系について最適化を進め、免疫微小環境との関連解析につなげたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により研究開始が大幅に遅延したため。 初年度実施予定であった循環腫瘍細胞を含む希少細胞による標的遺伝子検出について検討する。
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