2021 Fiscal Year Research-status Report
胸部悪性腫瘍における免疫微小環境のモニタリングに関する研究
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20K07688
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
米田 和恵 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80724806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 文啓 産業医科大学, 医学部, 教授 (10283673)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 悪性胸膜中皮腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、原発性肺癌や悪性胸膜中皮腫などの胸部悪性腫瘍における腫瘍局所の免疫微小環境を、血液や胸水などの液性検体を用いてモニタリングすることが可能かどうか検討を行いたい。 本年度は、腫瘍局所における腫瘍細胞及び免疫関連細胞の状況を調べるため、悪性胸膜中皮腫のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)検体を用いて検討を行った。悪性胸膜中皮腫の生検時あるいは手術時の組織FFPE検体を薄切、HE染色スライドを作製し、腫瘍細胞及び腫瘍周囲のリンパ球集簇状況を確認した。 同一検体で遺伝学的な評価を行うため、連続切片からDNA/RNAを抽出し、次世代シークエンサー(NGS)によるターゲットシークエンスを実施した。FFPE検体から抽出したDNAは、凍結組織から抽出したものに比べてサイズが短いものが多かった。ライブラリー調製は分子バーコードを使ったライブラリー調製キットを用い、昨年度中皮腫用にカスタマイズしたプローブでターゲット領域をキャプチャーし、シークエンスを行った。 しかしながら、薄切した組織全体を解析対象とすると、腫瘍細胞の含有率の差が大きく、非腫瘍細胞の混入による影響が懸念された。特にコピー数解析では非腫瘍細胞の混入の影響が大きいため、腫瘍細胞及び対照とする正常細胞(リンパ球)を顕微鏡下のレーザーマイクロダイセクション(LCM)により分取することを試みた。LCM検体は、10μm厚に薄切した組織切片を専用スライドに伸展し、ヘマトキシリン染色を行った。LCMにより腫瘍部とリンパ球集積部をそれぞれ分取し、digital MLPA法によりコピー数解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度新型コロナウイルス感染症の影響等により研究開始が大幅に遅延したため。また、所属等変更により、臨床検体での検討が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
新しい所属先にて病理及び臨床部門との連携を図り、統合的な検証を進める。
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Causes of Carryover |
2020年度新型コロナウイルス感染症の影響等により研究開始が大幅に遅延し、引き続き研究計画に遅れが生じているため。 今年度実施を予定していた組織免疫染色の検討を進めるため、試薬等の購入に使用する予定である。
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