2022 Fiscal Year Research-status Report
胸部悪性腫瘍における免疫微小環境のモニタリングに関する研究
Project/Area Number |
20K07688
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
米田 和恵 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (80724806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 文啓 産業医科大学, 医学部, 教授 (10283673)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 悪性胸膜中皮腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性腫瘍とその周囲の免疫環境は、免疫チェックポイント阻害薬等の免疫を介した治療効果予測に一定の有用性が期待されるが、組織に基づく免疫状況の変化を経時的に捉えることは困難である。本研究では、原発性肺癌や悪性胸膜中皮腫などの胸部悪性腫瘍における腫瘍局所の免疫微小環境を、繰り返し採取可能な血液や胸水などの液性検体を用いてモニタリングすることが可能かどうか検討を行いたい。まず、腫瘍局所における腫瘍細胞及び免疫関連細胞の状況を調べるため、悪性胸膜中皮腫のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)検体を用いて検討を行っている。悪性胸膜中皮腫の生検時あるいは手術時の組織FFPE検体のHE染色及び免疫染色により腫瘍細胞及び腫瘍周囲のリンパ球集簇状況を確認した。続いて同一切片で遺伝学的な評価を行うため、FFPE検体の切片からDNA/RNAを抽出し、次世代シークエンサーによるターゲットシークエンス及びコピー数解析を実施した。この際、腫瘍細胞含有比率を上げるため顕微鏡下でレーザーマイクロダイセクション(LCM)を行い、腫瘍部分とリンパ球集簇部分をそれぞれ分取した。ターゲットシークエンス及びコピー数解析ではそれぞれ特徴的な変化が検出された。しかしながら腫瘍間質に浸潤するリンパ球はLCMによる分取が難しく、新たな細胞分取方法の検討を行っている。腫瘍周囲の免疫細胞の分取によりその特徴を反映する液性マーカーの探索を進めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度新型コロナウイルス感染症の影響等により研究開始が大幅に遅延した。また、所属変更により研究環境の再構築が必要となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
効率良く研究を遂行できるよう研究環境整備を進める。
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Causes of Carryover |
2020年度新型コロナウイルス感染症の影響等により研究開始が大幅に遅延し、引き続き研究計画に遅れが生じているため。 新たな細胞分取方法の検討に必要な物品及び試薬の購入に使用する予定である。
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