2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of blood monitoring method for direct oral anticoagulant (DOAC)
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20K07842
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
森山 雅人 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30598131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 将門 福島県立医科大学, 保健科学部臨床検査学科, 助教 (30838652)
齋木 琢郎 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (90865057)
緒方 元気 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 特任講師 (80452829)
日比野 浩 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70314317)
西條 康夫 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10270828)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ダイヤモンド電極 / 直接経口抗凝固薬 / DOAC / 血栓塞栓症 / 抗凝固活性 / 薬物血中濃度 / モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
直接経口抗凝固薬(DOAC)の登場は、抗凝固療法を劇的に変化させた。特に従来の抗凝固薬と異なり、相互作用が少なく、モニタリング検査が不要という利点がある。一方で、血栓の増大・再発や、出血などの合併症も少なくない。そのため、より有効かつ安全な治療のためには「薬物血中濃度」を測定し、かつ「抗凝固活性」を評価して、「臨床所見」と組み合わせて検討することが求められる。 近年、新潟大学医学部を中心に、簡便かつ低コストで薬物血中濃度が測定可能な「ダイヤモンド電極法」が開発された。本申請課題では、ダイヤモンド電極法によるDOACの血中濃度測定が可能かを検証する。さらに実際の臨床所見や凝固線溶検査、抗凝固活性測定も含めた、包括的なモニタリング検査を開発し、実臨床への治療的応用を検討することを目的とする。 2021年度も、DOACの中で特にエドキサバンの測定の最適化を推進した。当グループのダイヤモンドセンサによる測定感度と選択性の向上を目指し、血漿サンプル前処理の方法を最適化することを検討した。まず標本として、ラットの血液に既知濃度のイマチニブを溶解したものを使用した。血漿サンプルにアセトニトリル添加の上、遠心分離し、除蛋白質処理した。これにより血漿蛋白質に結合したエドキサバンを分離する最適なアセトニトリル量を検討した。さらに、各種遠心式フィルタを用いて、血漿中からエドキサバンのみを抽出する方法もいくつか試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の状況が長引き、実験の進行や検討に制約が生じ、本来想定していた研究活動が遂行できなかった。また、共同研究者の異動と実験機器の移動に伴い、基礎検討が予定通り進められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、まずダイヤモンドセンサによる測定感度と選択性の向上を目指し、血漿サンプル前処理の方法の最適化を図る。その上で、ヒト血液および動物実験による測定方法の性能検証を行う。 (1)ヒト血液による性能検証:先の検討で開発した測定法の性能を、市販の実験用ヒト血液を用いて再評価する。必要があればアセトニトリル量など、測定方法を最適化する。 (2)動物実験による性能検証:ラットにDOACや各種併用薬を経口投与し、一定時間毎に採血 する。血中濃度は、先に開発した測定法と質量分析器で測定し、両者の結果を比較する。さ らに、半減期などの薬物動態パラメータを算出し、抗凝固活性等と合わせて既存データと検討する。 (3)得られた実験結果を関連学会で報告し、論文化を図る。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の状況で、実験や会合に制約が生じ、本来想定していた研究活動が遂行できなかった。 また、共同研究者の異動と実験機器の移動に伴い、基礎検討が予定通り実施できなかった。
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