2020 Fiscal Year Research-status Report
健常人で検出される心筋トロポニンの意義解明とその調節因子探索のための多角的研究
Project/Area Number |
20K07854
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
杉浦 知範 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (60535235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 聡 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90291228)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心筋障害 / 心筋トロポニン / 健常人 |
Outline of Annual Research Achievements |
明らかな心疾患などの基礎疾患を有していない健常人においても血中で心筋トロポニンは検出可能であり、正常範囲とされるレベルであってもその濃度には個人により差や変動がある。このわずかなトロポニン濃度の上昇は何らかの調整機構により心筋から血中へのトロポニン放出が増加している可能性がある。本研究は明らかな基礎心疾患のない健常人における血中心筋トロポニン濃度と臨床的な動脈硬化指標および血液指標で多角的な評価を行い、検出された血中心筋トロポニン濃度の意義、ならびにその濃度変化に関連する要因を検討するものである。 我々は2015年にJA静岡厚生連遠州病院の健康診断を受診された方で腎障害を有する患者や心血管イベントの既往のある患者(脳卒中、心筋梗塞)、肝疾患や悪性腫瘍の罹患あるいは既往のある患者は除外し、同意を得られた健常成人1300名に対して同意を得て血管脈波検査や高感度心筋トロポニンI濃度の測定を行い、動脈硬化と心筋障害との関連について検討を行った。さらに、本研究では2015年時と同一コホートのなかから2020年以降に再度健診を受診される者を対象として同意取得後に研究登録し、研究分担者、研究協力者とともに研究を進めて行く方針とした。 2015年にJA静岡厚生連遠州病院の健診センターを受診され、高感度心筋トロポニンIを測定した約1300名のうち、2020年度に再び健診を受診した方は約700名であった。研究計画立案時には約7割に該当する900名を見込んでいたが、本年は新型コロナウイルス感染症流行の影響を受けて健診への参加を控える傾向があったと推測している。2020年度に健診に参加された約700名は研究登録し、検体を回収することができた。 2021年度は目標症例数を目指して引き続き症例登録を進めていく方針である。また、並行して高感度心筋トロポニンなど検体測定を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症流行の影響を受けて健診への参加を控える傾向があったため
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は目標症例数を目指して引き続き症例登録を進めていく方針である。また、並行して高感度心筋トロポニンなど検体測定を開始している。
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Causes of Carryover |
研究計画に遅れが生じたため
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