2021 Fiscal Year Research-status Report
良性成人型家族性ミオクローヌスてんかんと慢性精神病の併発に関する研究
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20K07984
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
吉野 相英 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 精神科学, 教授 (20191629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 朋大 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院 精神科, 助教 (10860504)
立澤 賢孝 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院 精神科, 講師 (60276110) [Withdrawn]
古賀 農人 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 精神科学, 助教 (70744936)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん / 臨床的促進現象 / リピート異常伸長変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん(benign adult familial myoclonus epilepsy, BAFME)は、本邦に多くみられる常染色体優性遺伝疾患で、若年成人以降に発症する皮質振戦、ミオクロニー発作、稀発強直間代発作によって特徴づけられる。先行研究では、SAMD12、TNRC6A、RAPGEF2の3つの遺伝子おいて、イントロン領域のリピート異常伸長変異が報告されている。また、BAFMEは後世代ほど発症が若く重症化するいわゆる臨床的促進現象が知られており、リピート異常伸長変異との関連性が指摘されている。他方で、国内調査によると、BAFMEの12.9%に何らかの精神症状が認められている。しかしながら現在のところ、BAFME関連遺伝子のリピート異常伸長変異との関連は報告がない。そこで、我々は、BAFME患者ならびにその家族のゲノムDNAを収集し、関連遺伝子のリピート長の分析ならびに精神症状についての調査を開始した。2021年度は3名のBAFME患者の研究参加協力が得られ、前年度の協力者と併せて5名分の検体が得られた。研究協力に同意が得られた被験者に対して、MINI(The Mini-International Neuropsychiatric Interview)による精神障害の有無、発症年齢、罹病期間を特定した。各被験者に対して口腔内擦過による細胞採取を行い、ゲノムDNAを抽出した。ゲノムDNAはPCRによりSAMD12、TNRC6A、RAPGEF2遺伝子のリピート長多型が存在する部分を増幅した。アガロース電気泳動を行った結果、親子がそろっている1家系に関して、BAFMEを発症している親と発症していない子2名は、TNRC6A遺伝子における異なるバンドパターンを示し、BAFME発症との相関が示唆された。また、この親に関しては、BAFMEと共に精神症状発症も認められており、BAFMEと精神症状の併存とTNRC6A遺伝子のリピート長変異との関係が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度よりも被験者は得られたが、昨年度に引き続き、新型コロナの影響で、被験者のリクルートが想定よりも進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、引き続き新規の被験者のリクルートを行い、これまでに得られた被験者と併せて、各ゲノムDNAについて、全ゲノムシーケンシングを行い、SAMD12、TNRC6A、RAPGEF2遺伝子に含まれる正確なリピート長を検出する。各被験者の精神症状ならびにBAFMEの発症と各遺伝子におけるリピート長との関係を明らかにする。
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Causes of Carryover |
物品購入等において、値引き等で若干の差が生じた。
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Research Products
(7 results)