2021 Fiscal Year Research-status Report
Application of a gene expression visualization system to analyze cancer stem cell generation
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20K08101
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小川 良平 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (60334736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍵谷 豪 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (30524243)
趙 慶利 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (90313593)
渡部 明彦 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (20377253)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | がん幹細胞 / 上皮間葉転換 / CRISPR-Cas9 / 遺伝子発現可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
構築した前立腺がん由来のLNCaP細胞の組換え体(EMTスイッチとして働くE-カドヘリン遺伝子下流に2A配列を介してDsRed遺伝子を導入し、さらに、がん幹細胞マーカーであるOct4遺伝子下流に2A配列を介してEGFP遺伝子を導入した)の組換え部位構造の確認については、細胞ゲノム由来のDNA配列部分と外部から導入したDNA配列部分をペアにしてプライマーを作成して、組換え細胞のゲノムDNAを鋳型にPCRを行い予想通りの大きさのDNA断片が増幅されることでその構造が正しいと判断した。しかし、組換えに関連する遺伝子の発現をタンパクレベルで確認してみたところ、Ecadの発現がほとんど検出されなかった。そこで、組換え細胞ゲノムの相同配列部分をPCRで増幅して配列分析をしたところ、数塩基の欠失が確認された。欠失の由来は、DsRed細胞をゲノムに挿入するための組換え用プラスミドであることが分かり、親株細胞のゲノムから相同組換え断片のクローニングをやり直して、プラスミドの再構築を行った。 E-カドヘリン遺伝子については組換えを行っていない細胞、すなわちOct4遺伝子の下流のみにEGFP遺伝子を導入した組換えLNCaP細胞でもある程度の検証は可能であろうと考え、TGF-beta、EMT誘導剤(StemXVivo EMT Inducing Media Supplement, R&D Systems)添加培地、あるいはCSC-Sphere培地(B27を2%含むDMEM/F12培地)で、3日おきに培地を交換して、10日間培養し、5、10日目にEGFP発現の増減をフローサイトメーターで確認した。その結果、CSC-Sphere培地で培養した細胞はEGFP発現を増強したが、その他の培地では、通常培地で培養した場合と比較して大きな変化は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
完成したと考えていた組換え細胞にプラスミドの構造の誤りを原因とすると思われる間違いが見つかった。現在は、すでに修正し、何とか計画に追いつくよう鋭意実験を進めている。今後は、どのような遺伝子組み換え実験でも、構造は最終的には必ず配列分析を行うことを習慣づけることとした。また、LNCaPでEMT誘導によってOct4下流に結合したEGFP発現の増強が見られなかったことは、細胞の性質によるものではないかと推測している。以前にEMTによって幹細胞マーカーの増強が確認されている2つの細胞に絞って研究を進めていくことで、計画に早めに追いつきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度実施を予定していて実行できなかったCRISPR-Cas9によるEカドヘリン遺伝子のノックアウトの系の確立をまずおこないたい。それらの細胞のEMT誘導のEMT関連遺伝子発現への影響について分子生物学的な手法ならびに生化学的な手法により調べ、予想した通りの変化を細胞全体で確認できたら、Eカドヘリン遺伝子のノックアウトとOct4遺伝子の発現増強を下流に結合した蛍光タンパクの発現をもとに、セルソーターを使用して個々の細胞レベルで調べてみる。Eカドヘリンノックアウトが成功した細胞のうち、Oct4発現で異なる振る舞い(Oct4発現増強 vs Oct4発現変化なし)をする細胞をそれぞれ集め、網羅的な遺伝子発現解析を行いたい。可能であれば、Oct4に加えて、CD133をもう一つの幹細胞マーカーとして下流に異なる色の蛍光タンパク遺伝子を導入することで、アッセイをより確かなものにしたいと考えている。
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Causes of Carryover |
昨年度も学会参加が最小限となったため。しかし、直接経費の1%以下の額であり計画を大きく変えて対応する必要はないと考えている。
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