2022 Fiscal Year Research-status Report
子どもの視空間注意の神経基盤の解明~縦断的コホート研究~
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20K08182
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
實藤 雅文 佐賀大学, 医学部, 准教授 (50467940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊良皆 啓治 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (20211758)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 発達 / 視空間注意機能 / 眼球運動追跡装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
成人に比べて小児の視空間注意機構の神経基盤は不明の点が多く、これを解明することは、注意の持続困難を呈する児に限らずどの子どもにとっても、学習面など様々な生活場面でどのように対処したらよいかについて示唆を与えると考えられる。我々は、200人以上のコホート集団を対象として視空間注意を惹起する課題について、2・4・6歳時と縦断的に、アイトラッカー(視線追跡装置)を用いてデータ収集を継続している。本研究の主な目的は、その蓄積されたデータを縦断的に解析することで視空間注意の発達の軌跡を描出し、子どもの認知行動との関連を明らかにすることである。さらに8歳ではアイトラッカーと近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)の同時計測を実施して脳科学的な裏付けを与える計画であったが、NIRS計測はプローブ設置が必要で参加者と接触する必要があるため実施しないことを決定していた。
令和3年度から、以前からの課題および線2分法・利き手の調査など認知面を評価する様々な検査に加えて、8歳のための新しい課題を追加して、このコホート集団に対して行っていた。新型コロナウイルス感染症の影響は検査実施を困難にしていたが、計104人の8歳の子どもに特にトラブルなく実施することができた。令和4年度も、8歳の子ども計59人に実施することができ、2年間で計163人を完遂した。また本課題の範囲外ではあるが、コホート集団での実施がもともと計画されていたタブレット端末による認知機能テストのデータも収集できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
8歳時のデータ取得は比較的順調に行われたが、新型コロナウイルス感染症の影響がいまだに残存しており、検査への参加を辞退される参加者が生じたため、予定よりも少ない人数となった。
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Strategy for Future Research Activity |
8歳のデータ収集が終了したため、解析を本格的に開始する予定である。また参加者は10歳となるため、年齢や状況に応じた課題を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
モバイルワークステーションはファイルの整理・解析専用ソフトをアンインストール後に再度インストールを行ったところ、問題なく使用でき買い替える必要がなくなったため。また新型コロナウイルス感染症による影響により、出張が減り研究調査旅費が節約できたこと、また解析がやや遅延したことも、次年度使用額が生じることになった要因の一つである。
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Research Products
(15 results)