2022 Fiscal Year Annual Research Report
A novel therapy of pulmonary hypertension targeting degradation of altered mitochodoria
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20K08425
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
阿部 弘太郎 九州大学, 大学病院, 講師 (20588107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 裕之 九州大学, 医学研究院, 教授 (70264017)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肺高血圧症 / ミトコンドリア / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
背景:障害されたミトコンドリアDNAはToll様受容体9番(toll-like receptor 9: TLR9)に結合し、心血管病の原因に関与していることが近年多く報告されているが、肺高血圧症におけるTLR9の役割は依然として未解決のままである。我々はTLR9が肺高血圧症の進展に寄与していると仮説を立てた。 方法と結果:モノクロタリン(monocrotaline: MCT)誘発性肺高血圧ラットモデルを用いてTLR9が血行動態パラメーターに与える影響を調べた。MCT暴露ラットは14日目に、血漿ミトコンドリアDNAマーカーが上昇しておりそれらがTLR9によって認識された結果、肺におけるTLR9の活性化とIL-6 mRNAの上昇を来した。さらに21日目には右室収縮期圧と総肺血管抵抗が上昇し、肺血管リモデリング、マクロファージ集簇を来した。予防プロトコールにおいて、選択的TLR9阻害薬(E6446)もしくは非選択的TLR9阻害薬(クロロキン)の投与(MCT投与3日前からMCT投与後21日目まで)によって、右室収縮期圧・総肺血管抵抗・肺血管リモデリング・マクロファージ集簇の上昇が軽減された。2つの阻害薬はまたNF-kB活性化やIL-6 mRNA上昇を同程度軽減させた。短期治療プロトコールにおいて、E6446治療(MCT投与後14日目から17日目)によりNF-kB活性化とIL-6 mRNA上昇をほぼ正常化し、マクロファージ集簇を低下させた。さらに治療期間を延長させたプロトコールにおいて。E6446治療(MCT投与後14日目から24日目)により総肺血管抵抗や肺血管リモデリングを改善し、さらに生存率を改善した。 結論:TLR9はNF-kB-IL-6経路を介した肺高血圧症の進展に寄与しており、TLR9 阻害は肺高血圧症の新たな治療戦略となりうる。
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