2020 Fiscal Year Research-status Report
神経型ナトリウムチャネルを標的とする新しい抗不整脈薬開発のための基盤研究
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20K08450
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
辻 幸臣 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (60432217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 正俊 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (30627328)
常山 幸一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10293341)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 神経型Naチャネル / 電気的ストーム / トルサードドポアント |
Outline of Annual Research Achievements |
Naチャネル電流の持続成分である遅延Na電流は、様々な心臓疾患に伴って増大する催不整脈電流で、その抑制によって有益な治療効果がもたらされると期待されている。本研究では、神経型NaチャネルNav1.8の心筋細胞での出現に着目し、Nav1.8阻害による遅延Na電流遮断効果、抗不整脈効果、その発現増加のメカニズムを、電気的ストーム家兎モデルを用いて検討する。このモデル動物は、完全房室ブロックの作成と除細動器の埋め込みを組み合わせることで作成され、QT時間延長、Torsades de Pointes(TdP)の反復発生、頻回の心室細動エピソードを特徴とする。本年度、その左室心室筋組織のNav1.8チャネル蛋白の発現が亢進していること、生体レベルでの検討にて、特異的Nav1.8チャネル遮断薬A-803467を静注すると、エピネフリン負荷誘発TdPは、QTcが短縮することで抑制されること、この抗不整脈効果は、A-803467の前投薬によっても得られることを観察した。さらに、DNAマイクロアレイ解析を行い、心室筋組織の全遺伝子発現のプロファイリングに関する予備的な結果を得た。電気的ストーム家兎と健常家兎との比較にて、2倍以上の発現変化を示した遺伝子数は、右室心筋で155, 心室中隔心筋で124, 左室心筋で69であった。PDK4, SEPINE1, S100A8, acyl-CoA desaturase の4遺伝子が10倍以上の発現変化を示した。PDK4とSEPINE1は心室中隔心筋で、S100A8は右室心筋で強発現していた。一方で、acyl-CoA desaturase発現は、右室・左室心筋で著減していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験計画の実施が遅延している主な理由として、電気的ストーム家兎モデルの作成・準備に少なくとも3か月という長い期間を要すること等が挙げられる。また、モデル動物の作成、経過観察、実験を長崎大学で行っているが、マンパワーが不足しており、研究課題の進捗は遅延せざるを得ない状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題の遂行を効率的にするための人的補助が得られる見込みは小さい。代表者・分担者ともにエフォートを上げ、モデル動物の作成数を増やすことで、達成度の遅れを取り戻すよう取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
分子生物学的実験の一部を次年度に繰り越したことにより消耗品の購入を取りやめた。必要な一次抗体を購入する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Mechanisms of electrical storm: rotors anchored by enhanced NaV1.8 dependent late sodium current as a driver of Torsades de Pointes2020
Author(s)
Tsuji Y, Tomii N, Tsuneyama K, Takanari H, Arafune T, Honjo H, Kodama I, Makita N, Sakuma I, Dobrev D, Nattel S, Yamazaki Mi.
Organizer
Heart Rhythm Scientific Sessions 2020
Int'l Joint Research