2022 Fiscal Year Annual Research Report
高温環境によるCKD発症の病態解明と細胞老化制御を介した治療標的の探索
Project/Area Number |
20K08607
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 由香 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (60846864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石本 卓嗣 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00534835)
前田 佳哉輔 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00836306)
小杉 智規 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90584681)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 昇熱ストレス / CKDu / 細胞老化 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本のCKD患者で、夏期の血圧低下が、AKIを発症し、さらに不可逆なCKDに進展することが報告されている。また中央アメリカなどで報告された原因不明のCKD(CKDu)は、昇熱ストレスが原因の一つと疑われている。我々は、過去に10日間の繰り返す熱暴露を行うマウスモデルを作成し、昇熱ストレスが直接腎障害を起こすこと、その機序として尿細管細胞のミトコンドリア障害が関与することを報告した。本研究では、温度管理下で小動物飼育が可能な設備を用い、長期の繰り返す昇熱ストレスにより、慢性的な障害を検討した。また、前述の夏期の血圧低下によるAKIは高齢者に発症しやすいこと、CKDuのリスクとして年齢があることなどから、老化との関連を探求した。 6ヶ月にわたる慢性的な昇熱暴露により、高齢マウスだけ腎機能が悪化した。Heat stressにより免疫反応が変化する報告が最近相次いでおり、末梢血中の白血球数と分画を比較した。好中球数が、高齢マウスで非暴露群・暴露群ともに若年マウスのコントロール群(非暴露群)より高値であったが、若年マウスの暴露群で好中球数が高齢マウスと同様に上昇していることが見いだされた。 さらに、腎組織のq PCRを行い、若年マウスでも、昇熱ストレス下では腎組織のp16亢進や老化抑制因子であるFOXO3低下、老化細胞が分泌するとされるTNFαの上昇を認め、昇熱ストレスで細胞老化が惹起されることが示唆された。
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