2022 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトiPS細胞由来メラノサイトでの白斑治療・悪性黒色腫解明・美白物質の研究
Project/Area Number |
20K08660
|
Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
川上 民裕 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (20297659)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | メラノサイト / 皮膚色素細胞 / iPS細胞 / 白斑 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
非分節型(汎発型)白斑患者単離培養メラノサイト(primary melanocytes)と正常メラノサイトとの相違をRT-qPCR で検証した。primary melanocytesは正常メラノサイトと比較してMITF発現が有意低下、細胞接着因子としてメラノサイトとの関連性が指摘されているE-cadherin、DDR1、GPNMB、HSD17β1発現が有意低下した。非分節型白斑患者の一見、健常にみえる皮膚メラノサイトは正常ではないことが確認できた。さらに正常ケラチノサイトと共培養したところ、primary melanocytesは正常メラノサイトと比較してSCF発現が有意上昇、E-cadherin、DDR1、GPNMB、HSD17β1発現が有意上昇した。白斑メラノサイト周辺のケラチノサイトからのこうした物質の供給があり、一見、健常にみえる皮膚色が保たれているかもしれない。またprimary melanocytes におけるbFGF発現は、正常メラノサイトと比較して単離培養・共培養とも有意上昇した。免疫染色も同様の結果で、primary melanocyteはbFGF過発現し、周辺ケラチノサイトもbFGF過発現していた。bFGFの過剰産生は、白斑部真皮でみられる線維化との関連を推測させた。 Primary human skin melanocytesの樹立を充分なものにするために、培養液にROCK阻害薬を添加することで、充分な樹立が可能となることが報告されていたので参考とした。実は、われわれはヒトiPS細胞由来メラノサイト樹立に成功した際、ROCK阻害薬を使用したので応用した。結果、充分な樹立が可能となり、primary human skin melanocytesの性状を、RT-qPCRを用いて、正常メラノサイトと比較することができた。
|