2022 Fiscal Year Annual Research Report
乾癬におけるケモカイン受容体CCR4を介したTh17細胞増殖の病理的役割の解明
Project/Area Number |
20K08700
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
中山 隆志 近畿大学, 薬学部, 教授 (60319663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 一彦 近畿大学, 薬学部, 講師 (70615921)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乾癬 / CCR4 / Th17細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
乾癬の発症には、Th17細胞が重要な役割を果たすことが知られている。ケモカイン受容体CCR4は、Th2細胞に発現し、Th2細胞の遊走を介してアトピー性皮膚炎等のアレルギー性疾患の発症に寄与している。近年、このCCR4がTh17細胞にも発現していることが明らかとなった。しかしながら、乾癬におけるCCR4の関与については不明である。本申請課題では、乾癬におけるCCR4を介したTh17細胞の遊走制御機構の解析を通じて、CCR4の乾癬の発症における役割を追究する。 実験には、我々が確立したTh17細胞が効率良く誘導される、長期イミキモド塗布によるマウスモデルを使用した。CCR4欠損マウスにおいて、野生型マウスと比較し、皮膚肥厚等の病理スコアの軽減、病変皮膚および所属リンパ節におけるTh17細胞の減少が認められた。さらに、IL-17AやIL-22といった乾癬関連遺伝子の発現も低下していた。これらの結果は、CCR4選択的阻害薬の処置によっても再現された。所属リンパ節でのTh17細胞の増殖には、CCR4リガンド陽性の樹状細胞とCCR4陽性のTh17細胞のクラスター形成が必要である。イミキモド塗布マウスの所属リンパ節において、CCR4リガンドのCCL22を産生する樹状細胞の周辺に、CCR4陽性のTh17細胞が集積していること、さらにCCR4欠損マウスではその集積が減少していることを見出した。 以上より、CCR4は、リンパ節でのTh17細胞の増殖や皮膚への遊走を介して乾癬を増悪する可能性が示された。
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