2022 Fiscal Year Research-status Report
Novel and rapid diagnostic appproach of AL amyloidosis by Raman spectroscopy
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20K08712
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
三木 浩和 徳島大学, 病院, 講師 (50511333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南川 丈夫 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 准教授 (10637193)
高成 広起 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 准教授 (70723253)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アミロイドーシス / ラマン分光法 / 心臓アミロイドーシス / AL / ATTR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、難治性かつ診断に時間を要する造血器疾患の代表としてALアミロイドーシスを挙げ、ラマン分光法を用いた迅速な新規診断法の開発を目的とし、特に心臓アミロイドーシス(AL, TTR)の早期診断法の確立を試みる。AL,AA,TTRアミロイドーシスと診断されている患者の病理標本から薄層標本を作製し、ラマン分光法を用いて解析した。対象患者は11例で、男性8例、女性3例、年齢49-82歳(中央値70歳)、AL8例、TTR2例、AA1例、アミロイド浸潤臓器は、心臓5例(AL3例、TTR2例)、腎臓2例、胃2例、直腸2例、皮膚3例、まずCongo red染色陽性かつ偏光顕微鏡で緑色屈折をきたす部位を同定し、同部位を未染色サンプルで確認して、ラマンスペクトル解析を行った。複数の症例、複数の臓器、複数のアミロイド前駆蛋白で、Congo red 染色陽性部位に1680 cm-1付近にラマンピークを認めたが、Congo red陰性部位には、ピークを認めなかった。このピークに関しては、過去の検討からβシート構造に由来している可能性がある。 令和4年度の研究成果としては、心アミロイドーシスにおけるALとATTRの判別が可能かどうかについて、主成分分析(principal component: PC)を用いて検討した。主成分分析および解析に要する時間は5-6時間であった。心ALアミロイドーシス標本のCongo red陽性部位、心ATTRアミロイドーシス標本のCongo red染色陽性部位はPC1×PC8で鑑別が可能であり、ROC曲線でも有意差を認めた(AUC 0.863, sensitivity 0.75, FPF 0.1154)。以上からラマン分光法を用いたアミロイドーシスの迅速病型診断は有用であり、特に心臓アミロイドーシス(AL, ATTR)の鑑別に関して新たな診断法として応用できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
心臓のAL、ATTRの鑑別に関する検討は順調に進んでいるが、ラマンタグ抗体を用いて微弱なラマン散乱光を増強する実験や真核生物における細胞内構造、具体的には細胞内器官(ミトコンドリア、小胞体、ゴルジ体など)の形状や歪みなどの可視化を試みる実験に関しては、やや遅れていると評価した。進捗が乏しく2023年度に遂行する。
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Strategy for Future Research Activity |
Congo red染色以外のアミロイド染色用色素であるダイレクトファーストスカーレットやチオフラビンTなどを用いて、前述の薄層標本を染色し、異なる試薬で染色した同一アミロイドーシス検体間の比較によりALアミロイド線維に特異的な変化をラマンスペクトル解析にて検討する。今回主成分分析で得られた相違(心臓AL、心臓ATTR)に関しては、まだ症例数が少ないこともあり、症例数を蓄積し、再現性を確認する必要がある。また今回得られた主成分分析結果からPC8が意味するものが何なのか蛋白構造解析なども検討する。そしてCongo red染色による偏光とラマン分光を合体させたALアミロイドーシスの迅速病型確定診断の樹立を試み、将来的には生標本を用いた無染色組織イメージングを目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で、学会出張費が大幅に減少したこと、またラマンスペクトル解析用のラマン顕微鏡関連の消耗品の購入が少なかったことで次年度使用額が生じた。今年度は対面での学会発表が主体となりつつあり、旅費として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)