2022 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性虚血性疾患に対する体性幹細胞由来分泌因子を用いた治療法の開発
Project/Area Number |
20K08874
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
神谷 英紀 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70542679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恒川 新 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (40612768)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血管新生 / ヒト乳歯歯髄幹細胞 / ヒト臍帯静脈内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病は心血管疾患および重症下肢虚血などの虚血性疾患の重要な危険因子である。近年,虚血性疾患の新たな治療法として再生医療が期待されている。我々は以前に,ヒト乳歯歯髄幹細胞(SHED)培養上清(SHED-CM)の糖尿病性神経障害に対する有効性を報告した。その要因としては,SHEDからの分泌因子群による末梢神経栄養血管の血流改善および血管新生の促進が一因であることが示唆されているが,SHED培養上清が血管新生を促進する詳細なメカニズムは未だに明らかでない。 そこで初年度において、SHEDからの分泌因子が血管内皮細胞へ及ぼす直接的な効果を検討し、SHED-CMはヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVECs)のviabilityを有意に増加させ、また血管内皮細胞遊走能を有意に促進することを報告した。さらにSHED-CMはHUVECsの管腔形成を有意に促進した。また血管新生の一連の過程を包括的に評価するAortic ring assayにおいて,SHED-CMの添加によってラット大動脈輪からの新生血管長の有意な伸長を認め,SHED-CMの血管新生促進効果が確認された。以上の研究結果より、SHED-CMは虚血性疾患に対し今後の臨床応用が期待される治療リソースと考えられ、さらなる検討を進めてきた。 その後継続して、SHED-CMの成分において効果のあるフラクションの同定を試みているが、まだ達成できていない。また2022年度の計画として糖尿病モデルマウスの後肢虚血モデルを作成し、それに対するSHED-CMの治療効果を検討する予定であったが、現時点で研究に見合った下肢虚血モデルの作成ができなかった。 初年度の研究報告を発展させる詳細なメカニズムの解明及び治療法への拡大を目指したが、 最終的にはその達成には至らなかった。
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