2023 Fiscal Year Research-status Report
CRPSの発症および症状の増悪に対するデクスメデトミジンの効果
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20K09199
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山浦 健 九州大学, 医学研究院, 教授 (70264041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 みどり子 九州大学, 医学研究院, 准教授 (50315082)
住江 誠 九州大学, 医学研究院, 助教 (60792918) [Withdrawn]
松下 克之 九州大学, 大学病院, 助教 (60794211) [Withdrawn]
水田 幸恵 九州大学, 医学研究院, 助教 (20906341)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | CRPS / デクスメデトミジン |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスを静かな環境でvon frey検査台に1匹ずつ1時間以上静置し、環境に順化させた後に、von Frey フィラメントを足底に当てて逃避反応を起こす閾値を測定し、先行論文で行われている計算方法にて、疼痛閾値を数値化した。疼痛モデル作成前および1週間毎に疼痛モデル作成6週後まで行なった。 マウスをイソフルレン(2%)で麻酔下に腹臥位とし、筋を鈍的に剥離し左側の坐骨神経を露出した。坐骨神経が大腿下1/3程度で3本に分岐するが、そのうち外側の2本を6-0プロリン糸で結紮し、2mm以上切断し、最癒着しないようにした。内側1本は切断せずに残した。閉創後、麻酔下に仰臥位とし、患肢をギプス包帯とアルミシールにて保定し、膝関節の可動を制限した。ギプス包帯は毎日観察しながら2週間継続し、マウスが齧って外れそうな際は再装着を行なった。2週間後に麻酔下に解除し、患肢の腫脹を確認した。 von FreyテストではCRPSモデルではモデル作成後2週間後から6週間後まで持続する疼痛閾値の低下を認めた。まずマウスにデクスメデトミジンを投与するにあたっての投与量を検討した。Sigma-Aldrich デクスメデトミジン 塩酸塩 SML0956 10μg/mL(生食)に希釈 50μg/kg/回 25gマウスでは125μg/回を麻酔下に腹腔内投与を2時間毎に4回行なった。 2回目からはマウスの疼痛閾値が上昇しておりイソフルラン麻酔なしで施行した。 各投与後2時間弱は鎮静から傾眠であるが、翌朝には活発な様子であったため、安全な投与量であると判断した。次に、デクスメデトミジンがCRPSでの疼痛に影響を与えるのか調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まだ各群n=1でありnを増やした検討が必要である。 デクスメデトミジン投与のみでのvon frey testは施行しておらず、その群の検討が必要であると考える。 デクスメデトミジン投与のみでvon frey testの閾値が長期間上昇している可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今回、CRPSモデルにデクスメデトミジン一回目投与を先行しており、モデル作成後の投与は行なっていないことから純粋な治療モデルではない。投与タイミングと病態の変化を確認すれば更なる機序の解明につながると考えられる。
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Causes of Carryover |
モデル動物の作成に手間取り、薬物投与などの実験に着手するのが年度後半になったため、当該年度の助成金の執行が遅れた。 モデル動物の作成が安定したことから、次年度は実験に伴う薬品など物件費、評価をうけるための学会出席、論文作成のための英文校正費など適正に使用できるものと考えています。
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