2020 Fiscal Year Research-status Report
マイクロミニピッグの脳室下帯におけるneurogenesisの検討
Project/Area Number |
20K09377
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
安達 一英 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (10338056)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 奈穂子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (20464571)
廣瀬 雄一 藤田医科大学, 医学部, 教授 (60218849)
澤本 和延 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (90282350)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | neurogenesis / subventricular zone / pig brain |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経系再生研究におけるモデル動物には、実験手技や疾患モデルなどが確立された、マウスやラットが長年使用されてきた。しかし中枢神経系再生研究を進めるためには、よりヒトに近い脳構造を有するモデル動物が好ましいと考えられ、霊長類であるサルが実験動物として使われるようになってきた。しかしヒトに近い旧世界ザルは、倫理的な問題、個体サイズ、飼育環境、生殖サイクルなどよりモデル動物とはなりがたい。その反面コモンマーモセットを代表とする新世界ザルはモデル動物として適していると考えらえるが、その脳は、脳回や脳皮質の発達が乏しく、ヒトにおける中枢神経再生機構を解明するためには不十分と考えられる。ヒトと同様の皮質や脳溝脳回を有するモデル動物として偶蹄類のピッグがあるが、その個体サイズから実験動物として使用しづらい。そこで我々は出生時体重は100g、成体でも10~20Kgと小さく、現在モデル動物として使用されるマウス、ラットの実験道具を使用することが可能な、日本発のユニークなモデル動物であるマイクロミニピッグを用い、中枢神経再生研究の前段階として正常個体脳室下帯におけるneurogenesisを検討する。方法は、細胞分裂S期のマーカである5-bromodeoxyuridine (BrdU: 5mg/ml)を母体腹腔内に投与する。投与後1時間後と2か月間後に、麻酔下に還流洗浄後脳を摘出する。BrdU投与にて分裂細胞を標識し、投与後1時間後と2か月後に分けて評価することで、標識された細胞の動態を明らかにすることが可能となる。評価部位はマイクロミニピッグの脳は大きいため、側脳室を吻側、尾側、中間の3部位に分け各断面における脳室下帯と周辺脳を背側、内側、外側に分類し、免疫染色法を用いて脳室下帯及び周辺組織におけるneurogenesis関連細胞の動態を明らかにする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ感染症によりマイクロミニピッグの供給が停止していたため、実験開始時期が遅れた。具体的には2021年7月に種付けが行われ、11月にP0の個体を帝王切開にて2頭、1月に生後2か月の個体を4頭入手することが出来た。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在P0個体を2頭と生後2か月の個体を4頭のPFAによる後固定が終了している。今後同個体の切片作成、免疫染色を行い研究を適宜進めてゆく。
|
Causes of Carryover |
コロナ感染症によって実験動物の供給が停止し開始時期が遅れたことにより次年度繰越が生じた。今後の感染状況の推移にもよるが、現時点では支障なく実験が遂行可能な状態であり、必要に応じて実験個体の作成ならびに研究を遂行する
|