2021 Fiscal Year Research-status Report
メタボリックシンドロームが運動器機能に及ぼす影響と運動療法による改善機序の解明
Project/Area Number |
20K09435
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西良 浩一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10304528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常山 幸一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10293341)
二川 健 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (20263824)
高田 洋一郎 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任准教授 (20420549) [Withdrawn]
酒井 紀典 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任教授 (80403731)
杉浦 宏祐 徳島大学, 病院, 助教 (60837243)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メタボリックシンドローム / ロコモティブシンドローム / サルコペニア / 肥満 / 2型糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
ロコモティブシンドローム(ロコモ)は、加齢とともに低下する身体パフォーマンス障害全般を包括した概念であり、近年注目されている概念である。一方メタボリックシンドローム(メタボ)は内臓脂肪型肥満に高血糖や高血圧、脂質異常症を合併した概念で、耐糖能異常に関わる内分泌障害や脳・心血管障害のリスクとされている。また、運動器機能の低下はエネルギー消費を抑制し、特に筋は糖分の貯蔵庫であるため筋萎縮は糖代謝に悪影響を及ぼす。一方で糖尿病や肥満を含む脂質異常症は骨密度減少及び骨質の劣化や筋萎縮を助長することが分かっている。このようにロコモとメタボはお互いに負に影響を及ぼす。運動療法は両者にとって治療の中で重要な選択肢であるが、運動療法のどのような機序がロコモ、メタボのそれぞれにとって効果的なのかは不明であり、両者に影響するキーファクターが存在するのではないかと推察している。 自然に発育する過程で肥満、2型糖尿病、脂質異常症を発症する動物モデル(TSODマウス)と健常動物モデル(TSONマウス)を用いてメタボが運動器にどのような障害を及ぼし、運動療法によってどのような機序で運動機能と代謝異常が改善するのかを解析する。 TSODマウスとTSNOマウスの下肢骨のをマイクロCTにて解析を行った結果、既知の通りTSODマウスでは骨皮質がやや菲薄化し骨梁が減少していた。また、TSODマウスの中で運動群と非運動群の骨を同様に解析を行っているが、運動群と非運動群で骨皮質と骨梁について明らかな変化は認めていない。今後は同部位の組織学的解析と、骨格筋の解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
メタボリックシンドロームモデル動物であるTSODマウスに対する運動療法介入の影響を評価するにあたり、まず非運動群同士のTSODマウスとコントロールモデルであるTSNOマウスの骨組織を評価することでメタボリックシンドロームの運動器への影響を検討した。マイクロCTにて解析した結果、骨量は既知のようにTSODマウスで減少していた。続いて、TSODマウス同士で運動群、非運動群の骨量を評価比較したが、現時点では運動群、非運動群で骨皮質の厚み、骨梁に変化は見られない傾向にあった。 解析機器の修理期間を要したこと、解析個体の数が計画段階よりも多くなったことなどから進捗がやや遅れる結果となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロCTによる骨構造解析を終えた後、今後は膝関節周囲の骨組織の組織学的検討を行い、破骨細胞や骨芽細胞の局在や増減、骨代謝マーカーを評価する予定である。これによりメタボリックシンドローム及び運動が及ぼす骨組織への影響を評価し、筋サンプルのタンパク質解析や遺伝子解析を行い、介入する運動の強度によって代謝異常や運動器障害がどのように変化するのかを解析する予定である。
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Causes of Carryover |
CT解析装置のメンテナンスに時間を要したこと、研究結果が予想と異なる結果になりつつあるため、計画通りに実験が進んでいないこと、学会や研究会への出張回数が予定よりも少なくなったため、次年度使用額が生じた。翌年度分の研究費と合わせて、骨・筋の組織学的検討や遺伝子変化の検討に使用する予定である
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Research Products
(47 results)